1991 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症におけるIgA特異的産生亢進サイトカインの研究
Project/Area Number |
02670289
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
堺 秀人 東海大学, 医学部・内科, 教授 (80102846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷亀 光則 東海大学, 医学部. 内科, 助手 (10210212)
三浦 正彦 東海大学, 医学部. 内科, 講師 (00190596)
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Keywords | IgA腎症 / IgA産生能 / サイトカイン / ILー4 / ILー5 / ILー6 / TGFーβ / T_<α4>細胞 |
Research Abstract |
平成3年度は、当初の計画に基きIgA腎症患者とその家族におけるIgA産生亢進に及ぼすインタ-ロイチン4,5および6とTGFーβの相互作用を測定した。対象は腎生検によって診断された末治療のIgA腎症患者15例とその家族31名で、対照としてIgA沈着を伴わない慢性増殖性糸球体腎炎患者10例と健常成人10名を同時に測定した。方法は末梢血よりわれわれの既報による方法でIgA特異的スイッチT細胞であるT_<α4>細胞を取り出し、これをB細胞と培養して上記の各種インタ-ロイキンを添加し、上清中に産生されるIgAはレ-ザ-・ネフェロメトリ-で、培養系中に増加するIgAーbearingリンパ球は3カラ-・フロ-サイトメトリ-で測定した。有意差の検定にはMannーWhitneyのUtestを使用した。その結果、インタ-ロイキン4,5および6とTGFーβの単独添加群ではILー4添加群においてIgA産生が最も亢進し、これらのサイトカインを相互に組み合せた系においてはILー4とILー6の組み合せが最も強くIgA産生能を亢進させた。ILー5およびTGFーβにはIgA産生亢進効果が認めらなかった。以上の成績から、ヒトにおいてはマウスでの知見とは異ってILー54TGFーβにはIgA特異的産生亢進作用が認められず、ILー4単独あるいはILー4とILー6の組み合せがIgA産生を亢進させることが示された。すなわち現時点においては、IgA腎症の患者およびその家族においてIgAの差産亢進をもたらしているサイトカインはILー4またはILー4とILー6の組み合わせであることが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Sakai,M.Miyazaki,N.Yano,M.Endoh and Y.Nomoto: "Cytokines involved in IgAーspecific switch activity in patients with IgA nephropatly" Bene,M.C.ed.Proceedings of the Fifth International Symposium on IgA Nephropathy.
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[Publications] Sakai,H.,Miyazaki,M.,Endoh,M.and Nomoto,Y.: "A ltered cellular smmunity in IgA nephopath.In:Zhang,J.ed.Nephrology." Academic Publishars, 581(272-277) (1991)