1990 Fiscal Year Annual Research Report
家兎胃粘膜防御機構に於ける細胞内情報伝達機構の役割
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02670295
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 慎一 東京大学, 医学部, 助手 (30185269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺野 彰 東京大学, 医学部, 講師 (50155470)
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Keywords | 胃粘膜 / 防御機構 / 培養細胞 / 粘液分泌 / プロスタグランジン / カルシウム / cAMP / 胆汁酸 |
Research Abstract |
胃粘膜の防御機構に於ける情報伝達機構の役割を検討した。実験モデルは我々の確立した家兎の胃粘膜培養細胞を用いた。粘液の分泌に関して ^3Hーグリコサミンの遊離を指標として検討した。ヒスタミン,カルバコ-ル,ガストリンはCa^<++>,cAMPに影響を与えず,粘液の遊離も修飾しなかった。cAMPは外因性に与えても,アデノシン誘導体で産生を亢進させても粘液遊離に影響を与えなかったが,Ca^<++>イオノフォアであるA23187は有意に増加させた.従って細胞内Ca^<++>の上昇が胃粘膜の粘液分泌に重要な役割を果たす事が示唆された。内因性の防御因子として重要な役割を果たすプロスタグランジン(PG)の産性機構について検討した。ヒスタシン,カルバコ-ル,ガストリンはPGの産生に影響を与えなかった。A23187はPG産生を有意に増加させた。培養液のCa^<++>を低下させる事によりこの作用はほぼ消失し,細胞外Ca^<++>の流入によると考えられた。cAMPはPG産生に影響を与えず,内因性cAMPの修飾も同様であった。プロテインキナ-ゼC(PKC)を刺激するTPAよって弱いPG産性の亢進が認められた。この作用はcAMPによっては影響を受けなかったが,A23187で著明にポテンシエ-トされた。従って培養胃粘細胞のPG産生に於てはCa^<++>及びPKCが重要な働きをしている事が示唆された。生理的物質としては胆汁酸の一部のものにPG産生促進作用が認められた。このうちデオキシコ-ル酸(PC)の作用機序を検討した。DCのPG産生亢進は培養液のCa^<++>を低下させる事によりほぼ消失した。内因性Ca^<++>の動員阻害剤であるTMBー8によってこの作用はわずかに阻害されたが,PKCの阻害剤であるH7は影響を与えなかった。従ってDCのPG産生亢進は主に細胞外Ca^<++>の流入によっておこることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] SHINICHI OTA,AKIRA TERANO et.al.: "Protective effect of Taurcursodeoxy cholate agoinst cheuodeoxy cholateーinduced damage to cultured rabbitgostn'c cell" Digestive Diseases and Sciences.
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[Publications] SHINICHI OTA,AKIRA TERANO et.al.: "Roles of Ca^<++> and protein kinase C in the regulation of prostaglamdin E_2 releau by cultured gactric epitheliul cells" Gastroenterology.
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[Publications] SHINICHI OTA,AKIRA TERANO et.al.: "The effects of acid secretagogues on protective agents of gostric cells from adult rabbits in vitro" American Journal of Clinical Gastroenterology.