1990 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロムP450依存性モノオキシゲナ-ゼ(代謝物)の肺血管ト-ヌスに与える影響
Project/Area Number |
02670339
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
石崎 武志 福井医科大学, 医学部, 講師 (80151364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 文彦 福井医科大学, 医学部, 助手 (70205863)
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Keywords | チトクロムP450 / 肺血管ト-ヌス / アラキドン酸のエポキサイド / ロイコトキシン / エンドセリン / ホルボ-ルシソステ-ト / シクロオキシゲナ-ゼインヒビタ- |
Research Abstract |
1.チトクロムP450(P450)活性増強ラットから摘出かん流肺を作製しフェニ-ルエフリン(PE)に対する肺血管収縮反応とアセチ-ルコリン(Ach)に対する拡張反応を検討したところ、コントロ-ルと比べPEによる収縮反応は減弱し、Achに対する拡張性反応は増強した。一方、摘出肺動脈リングでの同様の検討では、コントロ-ルと比べPEに対する収縮反応は差をみず、Achに対する拡張反応は軽度増強していた。すなわち、これはP450は肺動脈よりも肺抵抗血管でよりその拡張作用を発現していることの薬理学的証明になる(肺組織学的に肺抹消血管内皮にP450の存在が証明されている事実と合致する)。次年度は、KC1やU46619による肺血管収縮能がシクロアキシゲナ-ゼインヒビタ-の有無により変化するのか否かの検討を行う。2.摘出肺動脈リングをあらかじめEndothelin 1 (ET1)ないしはPhorbol myristate acetate刺激にて収縮させ、白血球P450代謝物であるLeukotoxin(Lx)を投与すると拡張することを見いだした。3.ラット培養平滑筋細胞(A7r5)を用いて、No2と同様のET1ないしPhorbol myristate acetateにて ^<45>Ca^<2+>の細胞内流入を増強させた際、Lxは ^<45>Caの流入増加を抑制した。2及び3の結果はLxの血管内皮非依存性血管拡張作用はCa channnel antagonist様、もしくはPKC inhibitor様であると言う新知見を示すものである。生体内の強力な血管収縮性物質であるET1に対する内因性の阻害物性としてP450代謝物が局所での血管ト-ヌスを調節している可能性を示すものである。この結果を1991.5月米国アナハイムで開催されるアメリカ胸部疾患学会総会(ATS)にて発表予定である。次年度は引き続きアラキドン酸のP450代謝物であるEpoxy Eicosa trienoic acidのET1,Phorbol myristate acetateによる血管収縮反応や ^<45>Ca^<2+>取り込みに与える影響を検討する予定である。
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[Publications] T.Ishizaki: "Leukotoxin,9,10ーEpoxyー12ーOctadecenoate causes pulmonary vasodilation in the rat." J.Appl.Physiol.
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[Publications] 石崎 武志: "Cytochrome P450と肺" 呼吸. 10. (1991)
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[Publications] H.Takahashi: "Leukotoxin,9,10ーEpoxyー12ーOctadecenoate,inhibits Endothelin induced pulmonary vasoconstriction" BBRC.