1991 Fiscal Year Annual Research Report
気道上皮細胞単一イオンチャンネル電流に対する神経ペプチドの影響と情報伝達系の関与
Project/Area Number |
02670347
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60147395)
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Keywords | イオントランスポ-ト / 上皮細胞 / 気道分泌 / パッチクランプ / イオンチャンネル / 神経ペプチド / サブスタンスP / エンドセリン |
Research Abstract |
犬摘出気管粘膜をコラ-ゲンサポ-トに培養し、ウッシング法を用い、ボルテ-ジクランプの状態で短絡電流を測定した。また、オ-プンサ-キットの条件で細胞間電位差を測定し、細胞のコンダクタンスも算出した。さらにパッチクランプ法により、単一イオンチャンネル電流を解析し、細胞内情報伝達系のうちサイクソックAMPについての役割を検討した。 内因性のペプチドであるエンドセリンと血小板活性化因子は、いずれも、細胞の粘膜側に投与した際に短絡電流を用量依存性に増加せしめ、細胞間電位差とコンダクタンスも有意に増大した。以上の反応は、サブスタンスPの場合と同様、Naチャンネル阻害薬のアミロライドの前処置による影響を受けなかったが、Clトランスポ-ト阻害薬のフロセミド、Clチャンネルブロッカ-のジフェニラミンカルボキシレ-ト、Clのイオダイドによる置換などの処理による著明に抑制された。また細胞内のサイクリックAMPの軽度増加とともにCa濃度の上昇が認められた。したがって、以上のメディエ-タ-は、上記のセカンドメッセンジャ-を介し、粘膜側のClチャンネルの開口を選択的に亢進せしめるものと考えられた。また、パッチクランプでは、細胞の漿膜側のみならず粘膜側にもKチャンネルが存在することが明らかとなった。これは細胞外にKを排出させることにより細胞の過分極をきたし、粘膜側からのCl分泌を維持するための電気的な駆動力となり得る可能性が示唆された。一方、粘膜側のインサイドーアウト法によりClチャンネル由来の単一イオンチャンネル電流を同定し、サブスタンスPの投与により開口確率が増加し、似上の反応は細胞内サイクリックAMPの増加を伴うことを確認した。
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[Publications] Tamaoki J,Kanemura T,Kobayashi K,SaKai N,Takizawa T: "Endothelin stimulates ciliary beat frequvency and Cl secretion in canine cultured tracheal epithelium" American Journal of Respiratory Cellular and Molecular Biology. 4. 426-431 (1991)
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[Publications] Tamaoki J,Sakai N,Isono K,Kanemura T,Takizawa T: "Effects of plateletーactivating factor on bioelectric properties of cultured tracheal and bronchial epithelia" Journal of Allergy and Clinical Immunology. 187. 1042-1049 (1991)
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[Publications] Tamaoki J,Sakai N,Isono K,Kanemura T,Chiyotani A,Yamauchi F,Takizawa T,Konno K: "Effect of neutral endopeptidase inhibition on substance Pーinduced increase in shortーcircuit current of canine of canine aultuned tracheal epithelium" International Archives of allergy and Applied Immunolgy. 195. 169-173 (1991)
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[Publications] Kanemura T,Tamaoki J,Takizawa T: "Ionic Basis and Energy Metabolism of Epithelial Transport" National Institute of Physiological Sciences, 238 (1991)