1990 Fiscal Year Annual Research Report
Trimellitic Anhydride(TMA)に対する気道反応の解析
Project/Area Number |
02670352
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
城戸 優光 産業医科大学, 医学部, 教授 (10101172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勇武 産業医科大学, 医学部, 教授 (00038035)
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Keywords | 低分子化合物 / 気道過敏性 / 気道反応 / 免疫 / アレルギ- |
Research Abstract |
Trimellitic anhydride(TMA)は、合成樹脂製造に用いられるMW192に過ぎない低分子化合物であるが、刺激性とともに感作原性を有し吸気を介して生体内に侵入し、肺局所及び全身性に溶血貧血や喘息など多彩な障害を引き起こすことが知られ、近年、特に重要視されている。 我々はすでに本物質でモルモットを感作し免疫反応を解析すると共に、感作モルモットを経気道的にTMA暴露した場合の免疫反応についても検討しているが、本研究ではTMA曝露によるモルモットの反応を気道の反応性という面から生理学的に検討している。 平成2年度は、TMAによる発症の誘導に関する動物実験系の確立を計った。即ち、固相粒子のサイズ、吸入量の制御などの基礎的研究のほか、発症の頻度およびその症状についての解析を試みた。また吸入曝露動物はANIMALAS TO TMCー2100を用い呼吸抵抗を経時的に観察し個体による反応性の差異および反応性に及ぼす諸条件を検討した。また、局所反応にともなう病理学的変化についても検討している。 平成3年度は動物の血清中及び肺胞洗浄液中の反応物質及び抗体のクラスの同定を行い、免疫応答の誘導が確認すると共に、局所組織における病変などの免疫病理学的検討も合わせて行い、その発症機構の解明を行う予定である。感作動物のTMAの吸入曝露を行い、気道の反応を経時的に観察するとともに、responderとnonーresponderでの免疫学的な差異、アセチルコリン、ヒスタミン、PGF2αなどへの反応性を検討する。またこれらの反応が、気道の刺激を介した非特異的反応か、免疫学的機序を介したものかを検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masamitsu KIDO: "Effect of Trimellitic Anhydride(TMA)on the Airway" 23rd International Congress on Occupational Health. 267 (1990)
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[Publications] 小畑 秀登: "低分子化合物,無水トリメリト酸の気道に及ぼす影響" 気道過敏性研究. 2. 49-54 (1991)