1991 Fiscal Year Annual Research Report
Trimellitic Anhydride(TMA)に対する気道反応の解析
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02670352
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health JAPAN |
Principal Investigator |
木戸 優光 産業医科大学, 医学部, 教授 (10101172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勇武 産業医科大学, 医学部, 教授 (00038035)
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Keywords | 無水トリメリト酸(TMA) / MSIS / 職業性喘息 / 免疫反応 / 肺障害 / 気道過敏性 / モルモット |
Research Abstract |
免疫学的機序によるTMA誘導肺傷害のモルモットモデルを確立した。TMーBSAを完全フロインドアジュバント(以下、CFAと略す)と共に筋肉内投与を行うとトリメリチル基(以下、TMと略す)ないしTMー蛋白給合により形成されたnew antigen determinantに対する抗体が産生された。この能動免疫モルモットにTMAを曝露させると出血性肺病変を生じた。次にこの抗体を持つ抗血清を正常モルモットに受身移入後、TMAを吸入曝露させても出血性肺病変を生じた。さらにゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィ-により抗血清をIgG_1、IgG_2に分離しそれぞれの分画を正常モルモットに移入後TMAを曝露させ、肺傷害の程度をエバンスブル-の血管外漏れ出しで定量を行った。IgG_1、IgG_2分画とも56℃、30分加熱処理に関わらず(IgEの関与を否定するもの)コントロ-ルに比べて有意の漏れ出しをしめした。 次に、ハ-トレイ系雄モルモットを能動感作群(m=4)、コントロ-ル群(n=4)の二群に分け、44日目にTMA10mg/m^3を1時間吸入曝露した。曝露直後から5時間オッシレ-ション法にて呼吸抵抗を測定し、さらに5時間目にメサコリン(以物Mchと略す)吸入誘発試験を行い曝露2日前に行ったMch吸入誘発試験と比較した後、屠殺後解剖し肺組織の変化について検討した。 TMA吸入曝露実験では、曝露直後から呼吸抵抗が上昇し、5時間後には前値に復した。Mch吸入誘発試験でも、TMA吸入により有意に気道反応性は亢進した。形態学的検索おいては、リンパ球や形質細胞や好酸球などの炎症細胞浸潤を伴った気管上皮の肥厚像と肺水腫が観察された。 コントロ-ル群では、能動感作群で見られた呼吸抵抗の上昇、気道反応性の亢進、気道上皮の炎症細胞浸潤、肺水腫いずれも観察されなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mashalla Y.J.S.,Tokui N.and Kido M.: "Single breath assessment of bronchial reponsiveness:A comparison with the Astograph method." Journal of UOEH. 13(1). 1-11 (1990)
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[Publications] Tao Y.,Sugiura T.,Nakamura H.,Kido M.,Tanaka I.and Kuroiwa A.: "Experemental lung injury induced by trimellitic anhydride inhalation on guinea pigs." International Archives of Allergy and Applied Immunology. 96(1). 119-127 (1991)
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[Publications] Kido M.,Obata H.,Tao Y.,Akiyama T.,Higashi T.and Baba Y.: "Effect of Trimellitic Anhydride (TMA) on the Airway" 23rd International Congress on Occupational Health. 267 (1990)
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[Publications] 小畑 秀登,田尾 義昭,城戸 優光,田中 勇武: "気道過敏性研究:低分子化合物、無水トリメリト酸の気道に及ぼす影響" 九州気道過敏性研究会, 6 (1991)