1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670359
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飛松 省三 九州大学, 医学部, 講師 (40164008)
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Keywords | コントラスト感度 / 視覚誘発電位 / 網膜電図 / 両眼視機能 / 視覚弁別 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いてコントラスト感度検査および視覚誘発電位を用いてヒトの視覚情報処理を研究した。 1.視覚のコントラスト感度検査(CSF):健常人においてサイン波縦縞パタ-ンに対するCSFを測定した。加齢により高空間周波数域(細いパタ-ン)でのコントラスト感度の低下を認めた。また、視神経疾患ではCSFの異常があり、これらの症例の大半に視覚誘発電位異常を認めた。従って、CSFが電気生理学的検査と同様に臨床的に有用であることが示された。 2.網膜電図(ERG)と視覚誘発電位(VEP):(1)健常人において閃光刺激とパタ-ン刺激に対するERGとVEPの生理学的特性を検討するとともに、視神経においてこれの有用性を検討した。その結果、2種類の異なった視覚刺激を用いれば網膜外層(視細胞、Muller細胞)と網膜神経細胞の機能をそれぞれ検査できることを示された。(2)VEPの後頭部陽性成分(P100)に対応する前頭部陰性成分(N100)の生理学的特性を頭皮上分布と刺激のパタ-ンを変えることにより検討した。N100はP100の双極子ではなく、前頭葉の機能を反映している可能性を認めた。(3)ERG,VEPに対する刺激のパラメ-タ-の重要性についても検討し、臨床応用の際の注意すべき点を明らかにした。(4)等輝度色刺激装置を開発し、輝度刺激と組み合わせることにより選択的視覚路刺激が可能かどうかを現在検中である。 なお、radomーdotstereogramによる両眼視機能および視覚弁別課題による事象関連電位に関しては、予備実験を行ない興味ある知見を得たので、来年度詳細に検討する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tobimatsu,S.: "Clinical relevance of phase of steadyーstate VEPs to P100 latency of transient VEPs." Electroenceph clin Neurophysiol. 80. 89-93 (1991)
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[Publications] KuritaーTashima,S.: "Effect of check size on the pattern reversal visual evoked potential" Electroenceph clin Neurophsiol. 80. 161-166 (1991)
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[Publications] KuritaーTashima,S.: "Frontal negativity of patternーreversal visual evoked potentials in humans" Neurosci Res. 10. 52-63 (1991)
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[Publications] 飛松 省三: "VEP正常波形におよぼす刺激パラメ-タ-についてー瞳孔径、刺激光量などー" 脳波と筋電図. 20. 114-116 (1992)
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[Publications] KuritaーTashima,S.: "The neurophysiological significance of the frontal negativity(N100) in patternーreversal visual evoked potential" Invest Opthalmol vis Sci.
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[Publications] 広松 幸,飛松 省三,加藤 元博,猪俣 孟: "コントラスト感度の加齢変化と視神経疾患における有用性" 日眼.
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[Publications] 島村 宗夫,柴崎 浩 編,飛松 省三: "大脳誘発電位.4.VEP 臨床神経生理学ー最近の検査法と臨床応用ー" 真興交易医書出版部, 198-211 (1991)