1991 Fiscal Year Annual Research Report
神経ペプチッドの中枢神経疾患における病態生理学的意義に関する研究
Project/Area Number |
02670368
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
満間 照典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00111857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿山 正人 愛知医科大学, 医学部, 助手 (60177615)
中尾 直樹 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00140038)
広岡 良文 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90126821)
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Keywords | 神経ペプチッド / βーエンドルフィン / 脳血管障害 / 薄束ジストロフィ-マウス / TRH / TRH関連関質 / ソマトスタチン / P物質 |
Research Abstract |
平成3年度においては脳血管障害の治療剤として用いられているメエクロフェノキサレ-ト投与のラットの血中βーendorphin濃度に及ぼす影響を検討したところ、クロフェノキサレ-トは下垂体に作用し、血中βーendopphin濃度を低下させることを認め、この薬剤の作用機序の1つとしてβーendorphinの変動が関与していることを明らかにした。遺伝的に薄束ジストロフィ-を示すgracil axonal dystrophy mouse(GAD)の中枢神経系でのTRH、ソフトスタチン、substanceーP濃度の変化を各々の特異性の高いradioimmunoassay法で測定したところ、病理組織学的に変化が見られる部位において、これらの神経ペプチッド濃度に変化が認められた。この成績はこのマウスの運動失調出現に、これらのペプチッドの変化がなんらかの関与をなしていることを示唆している。エンドセリンIのradioimmunoassay法を確立し、ラットにおける生体内分布を検討したところ、エンドセリンIは血管ばかりでなく、中枢神経系、消化管などをラット生体内に広く分布することを認めた。又エンドセリンIIIに対する特異性の高い抗体を作成し、これを用いて、ラット生体内の分布を免疫酵素抗体法で検討したところ、エンドセリンIIIも血管ばからでなく中枢神経系、消化管、腎などラット生体内に広く分布することを明らかにした。またTRHの合成過程を明かにするため、PreーproーTRH関連のペプチッドの、PreーproーTRH(178ー199)及びTRHーglycineのradioimmunoassay法を確立して、これらペプチッドのラット生体内分布を検討したところ、これら二つのペプチッドは従来TRHの存在が明らかにされている部位に存在することを認めた。この結果はラットにおいてTRHが存在する部位でPreーproーTRHが合成され、Processingにより、TRH、TRHーglycine、PreーproーTRH(178ー199)が作られることを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Terunori Mitsuma et al.: "Meclofenoxate,a therapeutic drug for cerebrovascular disorder,reduces plasma β-endorphin levels in rats." J.of the Aichi Medical University Association. 19. 245-250 (1991)
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[Publications] Terunori Mitsuma et al.: "Radioimmunoassay for pre-pro-thyrotropin-releasing hormone-connecting peptide,pre-pro-TRH(178-199)" J.of the Aichi Medical University Association. 19. 343-351 (1991)
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[Publications] Terunori Mitsuma et al.: "Radioimmunoassay for thyrotropin-releasing hormone precursor peptide,TRH-glycine (TRH-Gly)" J.of the Aichi Medical University Association. 19. 481-489 (1991)