1991 Fiscal Year Annual Research Report
デュシヤンヌ型筋ジストロフィ-保因者におけるジストロフィン遺伝子の発現:キメラマウスによる解析
Project/Area Number |
02670373
|
Research Institution | National Institute of Neuroscience NCNP |
Principal Investigator |
花岡 和則 国立精神神経センター, 神経研究所・モデル動物 (40189577)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 淳子 国立精神神経センター神経研究所, 遺伝子工学研究部, 室長 (60209038)
鍋島 陽一 国立精神神経センター神経研究所, 遺伝子工学研究部, 部長 (60108024)
|
Keywords | Embryonic stem cell / キメラマウス / mdxマウス / 細胞標識 / 筋ジストロフィ- / 発生工学 / トランスジエニツクマウス |
Research Abstract |
発生過程の解析が不可能なヒトのかわりにジストロフィン遺伝子が欠損しているmdxマウスを用い,発生工学的手法により筋ジストロフィ-を解明することが本研究の最終目標である。そのための基礎的実験系の確立にむけ以下の研究を行った. 1)個体再構成(キメラ形成能)の高い未分化幹細胞株の樹立 マウス胚の遺伝子操作の担体となるキメラ形成能の高い未分化幹細胞の樹立・維持・操作技術を確立し,精巣性奇形腫幹細胞及びmdxマウス由来胚幹細胞を樹立することに成功した. 2)ジ-ンタ-ゲティング(gene targeting)法の確立 ジ-ンタ-ゲテイング法を確立し,目的とする遺伝子が欠損したマウス個体を作成することに成功し,将来遺伝子操作により新たな筋ジストロフィ-モデルマウスを人為的に作成するための基盤が確立した. 3)キメラ解析のためのマウス細胞標識法の開発 キメラマウスの詳細な解析に必須である。マウス細胞の人為的標識法について検討し,ヒトペプチド進展因子プロモ-タ-に連結したクロラムフエニコ-ルアセチルトランフェラ-ゼ遺伝子がキメラ解析のための遺伝的マ-カ-として有用であることを本遺伝子を含むトランスジエニックマウスの作成により明らかにした. 以上の研究によりmdxマウスを用いた発生工学的手法により筋ジストロフィ-を解明するための基礎的実験系が確立したと考えられるが,当初予定していた本実験系を用いたDMD保因者のモデルマウスの作成及び解析については今後の研究課題として残された.今回得られた知見をもとに筋ジストロフィ-解明に今後さらに取り組む予定である。
|
-
[Publications] Hanaoka K,Hayasaka M,Noguchi T & Kato Y:"The stem cells of a primordial germ cell-derived teratocarcinoma have the ability to form viable mouse chimeras" Differentiation. 48. 83-87 (1991)
-
[Publications] Hanaoka K,Hayasaka M,Uetsuki T.Fujisawa-Sehara A & Nabeshima Y: "A Stable cellular marker for the analysis of mouse chimeras:The bacterial chloramphenicol acetyltransferase gene driven by the human elongation factor 1 α promoter" Differentiation. 48. 183-189 (1991)
-
[Publications] Sawai S,Shimono A,Hanaoka K & Kondoh H: "Embryonic lethality resulting from disruption of both N-myc alleles in mouse zygotes" New Biologists. 3. 861-869 (1991)
-
[Publications] Hanaoka K and Hayasaka M: "Isolation of a new embryonic stem cell line from a mdx mouse embryo"
-
[Publications] 花岡 和則: "キメラマウス解析のための新しい導入遺伝子マ-カ-" 実験医学. 9. 16-21 (1991)
-
[Publications] 三木 清史,花岡 和則: "Embryonic Stem cell(胚幹細胞)" 神経研究の進歩. 35. 17-25 (1991)