1990 Fiscal Year Annual Research Report
心筋ミオシン重鎖及び軽鎖遺伝子の転写制御機構の解析
Project/Area Number |
02670382
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部, 教授 (20101090)
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Research Abstract |
負荷によりその発現が亢進する心室筋ミオシン重鎖及び軽鎖遺伝子をヒト遺伝子ライブラリ-からクロ-ニングし,その発現調節を行うプロモ-タ-領域の機能解析をCATアッセイ法を用いて検討した.ヒト心室筋ミオシン軽鎖I(VLCI)遺伝子のプロモ-タ-領域には,遺伝子の発現に働く数多くの,特徴的な塩基配列が存在していた.TATAで示される転写開始を規定するTATAbox,さらに上流にはCATbox,GCboxなどの特異的な塩基配列が存在し,転写活性を促進する機能を行っていた.筋肉細胞に特有の遺伝子発現に必要なCAγGboxも存在していた.一方,VLCI遺伝子の転写活性は,細胞レベルの検討により,機械的刺激,TPA,フォルスコリンで亢進されることが示されている.すなわち,Cキナ-ゼ,Aキナ-ゼの活性化によりVLCIの遺伝子転写が活性化されるわけである.そこで,プロモ-タ-領域でこの反応に必要な塩基配列を決定するために,プロモ-タ-領域を順次欠落する変異株を用いて検討すると,転写開始部位より上流57塩基と46塩業の間のわずかな部位に存在しており,その塩基配列を検討すると,Aキナ-ゼともCキナ-ゼとも反応するAP2蛋白が結合する特有の塩基配列の存在することが新たに判明した.すなわち,Ap2蛋白はAキナ-ゼによってもCキナ-ゼによっても反応してリン酸化され,これが対応するVLCI遺伝子のプロモ-タ-領域に結合してその転写活性を促進することが明らかとなった.このことは,機械的刺激,カテコラミン,アンジオテンシンIIなどにより蛋白リン酸化酵素が活性化された時に起こる遺伝子の発現機序を直接究明したことにより,心肥大形成の生化学的機序を解明する新たな展開が得られるところとなった.そして細胞レベルで問題となった心肥大のシグナリングとしては,Cキナ-ゼもAキナ-ゼも遺伝子発現調節に関与していることが示された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Komuro,etc: "Stretching of cardiac myocytes stimulates protooncogene expression." J.Biol.Chem.265(7). 3595-3598 (1990)
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[Publications] I.Komuro,etc: "Molecular cloning of gene sequences from rat heart rapidly responsive to pressure overload." Circ.Res.66(4). 979-985 (1990)
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[Publications] Y.Katoh,etc: "Messenger RNA lavels of guanine nucleotideーbinding proteins are reduced in the ventricle of cardiomyopathic hamsters." Circ.Res.67(1). 235-239 (1990)
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[Publications] T.Sugiyama,etc: "Cytoplasmic calcium ion elevating factor(s) in spontaneously hypertensive rat serum." J.Hypertension. 8(10). 919-925 (1990)
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[Publications] Y.Seko,etc: "Expression of major histocompatibility complex class I antigen in murine ventricular myocytes infected with coxsackievirus B3." Circ.Res.67(2). 360-367 (1990)
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[Publications] M.Kurabayashi,etc: "Functional identification of the transcriptional regulatory elements within the promoter region of the human ventricular myosin alkali light chain gene." J.Biol.Chem.265(31). 19271-19278 (1990)