1990 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋におけるミオシン軽鎖ホスファタ-ゼのDNAクロ-ニング
Project/Area Number |
02670389
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小西 得司 三重大学, 医学部, 助教授 (40115704)
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Keywords | 平滑筋 / ミオシン軽鎖 / ホスファタ-ゼ / DNAクロ-ニング |
Research Abstract |
1.cDNAライブラリ-の作製及びスクリ-ニング:牛大動脈によりグアニジンチオシアネ-ト法を用い,CsCl存在下で20℃,32000rpm20時間超遠心を行いRNAを精製し,オリゴ(dt)セルロ-スカラムを用いてmRNAを精製した後,cDNA作製キットを用いてcDNAライブラリ-を作製した。プロ-ベとなるオリゴヌクレオチドは,ホスファタ-ゼ(PP)I型及びIIA型に相同なアミノ酸配列であるCysーGluーAspーTyrーPheーGlyーTyrに相当する混合プロ-ベA及びPPーI型にのみ相同と考えられるCysーAspーThrーPheーLysーTrp及びGlyーHisーCysーCysーPheーIleの混合プロ-ベB,Cを用いた。これらオリゴヌクレオチドの5'末端を ^<32>Pにて標識し,ナイロンメンブランを用いてファ-ジプラ-クとハイブリダイゼ-ションし,スクリ-ニングを行った。しかしながら陽性となるプラ-クは検出できなかった。この原因として,新鮮さが要求されるmRNAの試料として,午大動脈に問題があると考えられ,cDNAライブラリ-を平滑筋モデルとして一般的なニワトリ砂嚢よりのものへと変更した。 2.ニワトリノ砂嚢cDNAライブラリ-スクリ-ニング:Clontech社よりcDNAライブラリ-を購入(λgtll)し,上述の混合プロ-ベAを用いて約20万のプラ-クをスクリ-ニングしたところ,30〜40の陽性プラ-クを得た。現在さらに混合プロ-ベB及びCを用いて再スクリ-ニング中である。今後サブクロ-ニング後,DNAシ-クエンスを行う予定である。 3.クロ-ニングされたcDNAの同定の為に,ミオシン軽鎖ホスファタ-ゼ(MLCP)に対する抗体及び部分シ-クエンスなどの情報を必要とするためニワトリ砂嚢よりMLCPを精製した。精製されたMLCPは,分子量58KDa,38KDa,及び27KDaの3つのサブユニットより成り,38KDaが触媒サブユニットと考えられた。今後,これらに対する抗体の作製及び部分シ-クエンスを行い,クロ-ニングされたcDNAの同定に用いようと考えている。
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[Publications] Hiroo Itoh: "Contraction by endothelinー1 of rat thoracic aorta strips in the absence of extracellular Ca^<2+>" Britisch Journal of Pharmacology.
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[Publications] Hiroshi Masuoka: "Effects of pimobendan and MSー857 on the human cardiac cyclic ANP phosphodiesterase" Journal of Cardrovascular Pharmacology.