1991 Fiscal Year Annual Research Report
致死的心室性不整脈の発現機序に関する実験的研究ーことに虚血心筋内カリウム動態との関係についてー
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02670400
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| Research Institution | Nagasaki University |
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Principal Investigator |
矢野 捷介 長崎大学, 医学部, 教授 (50039864)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満岡 孝雄 長崎大学, 医学部, 助手 (50159167)
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| Keywords | 慢性低カリウムモデル / 心筋間質カリウムイオン濃度 / 心室性不整脈 / 冠動脈閉塞 / 冠動脈再潅流 / 心室有効不応期 / 心室内伝導時間 |
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| Research Abstract |
〈目的〉急性心筋虚血では心筋内カリウムイオンが関係して虚血心の電気的不安定性を増大させる。本研究は慢性低カリウムモデルの冠動脈閉塞および再潅流を行い心筋間質カリウムイオン動態、心室性不整脈の出現状況、心室電気生理学的特性の変化を検討することを目的とする。本年度は、前年度実験計画を継続し、さらに冠動脈閉塞後再潅流までの時間が間質カリウムイオン濃度の経時的変化、虚血心筋の電気生理学的特性および心室性不整脈発現におよぼす影響を検討した。〈方法〉既報のごとき方法で作成した慢性低カリウム犬と正カリウム犬を開胸、右室自由壁、左室前壁(虚血部)、左室後拡(健常部)各1ヶ所の心内膜側にプランジ双極電極を装着し、別に左室虚血部および左室健常部に4連型カリウムイオン電極を装着した。冠動脈左前下行枝閉塞から再潅流までの時間を30分、60分、90分、120分の4グル-プに分けた。〈結果〉冠動脈閉塞により心筋間質カリウムイオン濃度は両モデルともに虚血部で急速に上昇した。虚血部の心筋間質カリウムイオン濃度上昇は閉塞時間が長いほど著明で、再潅流後に急速に低下した。心筋間質カリウムイオン濃度の変動様式は両モデルで明らかな相違を認めなかった。慢性低カリウム犬では冠動脈閉塞時再潅流時ともに心室性不整脈が高率に出現したが、再潅流までの時間が長いほど高率に出現する傾向を認めた。虚血部の有効不応期および伝導時間は著明に延長し、これはとくに慢性低カリウム犬で顕著で、閉塞時間が長いほど高度であった。再潅流後には両者ともに短縮する傾向を認めた。〈結論〉慢性低カリウム犬の冠動脈閉塞再潅流による心筋間質カリウムイオン濃度、心室性不整脈出現率、および心室電気生理学的特性の変化は再潅流までの時間によって大きく影響をうけることが判明した。
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[Publications] Katsusuke Yano: "Effects of chronic hypokalemia on ventricular vulnerability during acute myocardial ischemia in the dog" Jpn Heart J. 30. 205-217 (1989)
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[Publications] Katsusuke Yano: "Influence of sympathetic nerve activity on ventricular arrhythmogenicity in the dog with chronic hypokalemia" Angiology. 42. 878-888 (1991)
