1990 Fiscal Year Annual Research Report
心筋炎,心筋症の免疫,ウイルス学的研究ー心筋in Situ培養心筋を用いた検索
Project/Area Number |
02670415
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
出口 寛文 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90131341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 泰 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50084950)
河村 慧四郎 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00026832)
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Keywords | ウイルス性心筋炎 / 拡張型心筋症 / ウイルス遺伝子 / コクサッキ-B_3ウイルス / T細胞 / 免疫組織化学 / 心筋培養 / インサイチュハイブリダイゼ-ション |
Research Abstract |
本研究は、心筋炎、心筋症モデル動物(マウスのcoxsackie B3 virus性心筋炎)、並びに心筋症患者の心筋で、心筋病変を検索し、それらの免疫学的背景を各種の抗リンパ球抗体、抗組織適応抗原(class I、II)抗体で染色し、心筋in situで検討した。また、心筋病変におけるウイルスの役割を明確にするために、coxsackie B virus cDNAを用い、in situ hybridization法で、ウイルス遺伝子の心筋内局在性を検討した。 [I]マウスのcoxsackie B3 virus性心筋炎における研究(1)免疫組織学的検索。心筋壊死病巣にはT細胞、ことに多数のCD4陽性細胞、asialo GM1陽性細胞の他、少数のCD8陽性細胞並びにMac陽性細胞を認める。これらが心筋細胞壊死に重要な役割を演じていることが明らかにされた。また、MHC class I抗原の発現が著明であることより、心筋壊死の発現にはcytotoxic T細胞の関与が強く示唆された。(2)in situ hybridizationによるウイルス遺伝子の検索。微量高速冷却遠心機でcoxsackie B viruscDNAを分離精製し、digoxigeninでcoxsackie B virus cDNAラベルし、心筋凍結切片に反応させた上、光顕的観察を行い、ウイルス遺伝子の心筋病変における局在を検討した。心筋内にウイルス遺伝子はウイルス接種後第28日まで陽性であった。 [II]in vitroにおける免疫学的検索。心筋培養を行い。免疫快検索を開始している。 [III]心筋炎、心筋症患者の生検心筋を用いた免疫組織学的検索。生検心筋の凍結切片を作製し、抗Leu 2、3、7、11、M1、ILー2R、HLAーDR抗体で染色し、光顕、電顕的免疫組織学的に心筋病変との関連を検索した。しかし、心筋炎においてはT細胞サブセットの分布は様々であり、症例数を増やしてさらに検討を行う必要がある。
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[Publications] 出口 寛文: "拡張型心筋症とウイルス性心筋炎の組織学的特徴" 最新医学. 10. 1990-1996 (1990)
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[Publications] 河村 慧四郎: "心筋症における生検心筋の病理組織像と細胞化学再考察" 日本臨床. 49. 35-43 (1991)
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[Publications] 北浦 泰: "心筋症とウイルス遺伝子" 内科. 66. 678-679 (1990)
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[Publications] 北浦 泰: "心筋生検" 最新内科学大系. 29. 314-323 (1990)
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[Publications] 北浦 泰: "ウイルス性心筋炎" 日本臨床. 49. 176-182 (1991)
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[Publications] 北浦 泰: "心筋炎" 循環科学. 10. 916-920 (1990)