1990 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモン受容体発現のステロイドホルモンによる調節
Project/Area Number |
02670426
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新美 仁男 千葉大学, 医学部・小児科, 教授 (40009147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 淳一 千葉大学, 医学部・病理学教室, 助手 (30188429)
安田 敏行 千葉大学, 医学部・小児科, 講師 (00211615)
|
Keywords | 成長ホルモン / 受容体 / ステロイドホルモン / 女性ホルモン / IGF |
Research Abstract |
成長ホルモン(以下GH)結合蛋白はRabbitにおいては分子量及び免疫学的性状から成長ホルモン受容体細胞外ドメインの1部である事が明らかにされた。ヒト成長ホルモン結合蛋白について、(1)B/F分離をゲル濾過にて行う測定系、(2)抗GH受容体抗体を用いた免疫学的測定系の開発をおこなった。両系を用いた検討の結果、ヒトにおいても成長ホルモン結合蛋白はGH受容体細胞外部位に一致する事が示された。さらにヒトGH結合蛋白について(1)GH非依存性の発育をするとされる乳幼児期は極めて低値である事、(2)GH依存性の成長因子IGFIと健常小児では極めて高い正相関をする事、(3)GH抵抗性を示す低栄養状態では低値となることを示した。以上のことからGH結合蛋白は末梢GH受容体の発現を間接的に示している事を明らかにした。ステロイドホルモンとの関係では(1)女性ホルモン過剰状態の思春期早発症女児にて予期に反し低値治療により正常化、(2)甲状腺機能異常症では成績が一定しなかつた。 さらに女性ホルモンが成長ホルモン依存性のIGFI産生及び効果を増強するとの最近の報告もふまえ今後の検討課題を女性ホルモンによるGH受容体発現の制御とし、GHーGH受容体ーIGFIーIGF結合蛋白系で見る系を作成した。すなはち(1)ヒトGH受容体アミノ酸配列に基づく合成ペプチドを作成し家兎に免疫し2個の良好な抗体の作成、(2)GH受容体mRNA高感度検出するRTーPCR法を開発、(3)Affinity cross liking法及びBioーimage analyzerを用いたIGF結合蛋白の測定系の開発、(4)成長ホルモン依存性のIGF結合蛋白抗体の作成である。現在以上の系を用い培養骨芽細胞(MC3T3ーE1,UMR106)及び肝細胞を用いたGH受容体ーIGFI系のステロイドホルモンによる制御を検討し、さらにGH結合蛋白の機能も以上の系を用い解明する。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 林田 敦: "ゲル濾過法を用いた血中成長ホルモン結合蛋白の検討:年令依存性の変化およびSomatomedin Cとの関係" 日本小児科学会雑誌. 94. 2160-2164 (1990)
-
[Publications] Murata A: "Analysis of growth hormone binding protein by gel filtration and immunoassay using growth hormone receptor monoclonal antibody"
-
[Publications] Murata A: "Analysis of growth hormone binding protein and insulin like growth factor I in uremic children"
-
[Publications] Nishioka T: "Nasal administration of salmon calcitonin for prevention of glucocorticoidーinduced osteoporosis in children with nephrosis" Journal of Pediatrics. 118. (1991)
-
[Publications] Nishioka T: "A discordant movement in urine calcium excretion relative to serum calcium and the parathyroi function occrring immediately after birth" Acta PeAdiatrica Scand. 80. (1991)
-
[Publications] Yasuda T: "Demonstration of blood calcium related parathyroid function occuring immediately after birth" Submitted.
-
[Publications] 新美 仁男: "外来診療 小児甲状腺疾患" ヒュ-マンワィティ, 124 (1990)