1990 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素産生系構成要素の機能異常ー慢性肉芽腫症ーの分子的解析
Project/Area Number |
02670427
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 三千男 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30091276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20160046)
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Keywords | 慢性肉芽腫症 / シトクロムb558 / 活性酸素 / 好中球 / 出生前診断 |
Research Abstract |
慢性肉芽腫症の分子的解析を可能にする為に、行なった実験とその成果を列挙する。 1活性酸素産生系に関与する4つの成分、即ち、シトクロムb558の大小2つのサブユニット、47K及び65K可溶性蛋白質因子に対する部位特異的抗体を、その部位に一致するオリゴペプチドを抗原としてウサギで作った。作成に成功したのは、シトクロムb558大サブユニットのN末端から約150ー170番のアミノ酸残基に対する抗ーL123抗体、C末端に約20アミノ酸残基に対する抗ーLc抗体、シトクロムb小サブユニットのN末端及びC末端のそれぞれ約10個のアミノ酸残基に対する抗ーSnおよび抗ーSc抗体である。他に、可溶性因子に対しても、各1個ずつ、部位特異的抗体の作成に成功した(抗ー47および抗ー65)。 これらの抗体を以下の研究に用い、成果を上げつつある。 (1)日本全国の慢性肉芽腫症の系統的診断とこの疾患に対するインタ-フェロン-の効果の検討を北大小児科松本侑三教授の指導のもとに行なっている。 (2)モノクロ-ナル抗体7D5を併用して、慢性肉芽腫症の出生前診断を、産科医や小児科医と協力して世界で初めて可能にした(Lancetに発表)。 (3)細胞膜におけるシトクロムb558の存在様式を明らかにした(日本生化学会で発表)。 2シトロムb558大サブユニット欠損の慢性肉芽腫症の1家系のEBーBリンパ球を確立し、以下の成果を得た(日本細菌学会で平成3年3月28日発表予定)。 (1)細胞表面のシトクロムb558は患者および保因者であるその母親の細胞では検出されず、ほかの家族の細胞では検出された。 (2)患者ゲノムDNAのサザ-ンブロッティングで、遺伝子の一部の欠損が示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Michio Nakamura: "Prenatal diagnosis of cytochromeーdeficient chronic granulomatous disease" Lancet. 336. 118-119 (1990)
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[Publications] 中村 三千男: "活性酸素による食細胞の殺菌機構とその異常" 第一回日本生体防御学術集会抄録集. 1. 33 (1990)
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[Publications] 大海 忍: "好中球の活性化に伴うス-パ-オキシドアニオン産生系47Kタンパク質の細胞内動態" 生化学. 62. 985 (1990)
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[Publications] 時田 健司: "Cytochrome b558(cytb)の膜内存在様式の解析" 生化学. 62. 985 (1990)
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[Publications] 小林 園子: "ス-パ-オキシド産生に関与するシトクロムb558のヒトBリンパ球での発現について" 生化学. 62. 717 (1990)
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[Publications] 土屋 輝昌: "先天性易感染性疾患である慢性肉芽腫症の遺伝子診断" 日本細菌学雑誌. 46. 318 (1991)
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[Publications] 中村 三千男: "好中球の活性酸素生成とチトクロ-ムb558" 活性酸素・フリ-ラジカル. 1. 151-160 (1990)
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[Publications] 中村 三千男: "白血球と生体防御(水上茂樹,柿沼 カツ子,竹重 公一朗編)" 講談社, 90-104 (1990)