1990 Fiscal Year Annual Research Report
組織・細胞発達分化に伴うス-パ-オキシドジスムタ-ゼの誘導発現と液性因子の影響
Project/Area Number |
02670431
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
朝山 光太郎 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70129310)
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Keywords | ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ / フリ-ラジカル / 組織発達 / 細胞分化 / 抗酸化酵素 / 免疫組織化学染色 / 周産期 / 生体防御機構 |
Research Abstract |
胎仔ラットの全身臓器について二種類のス-パ-オキシドジスムタ-ゼ(CuZnSCDおよびMnSOD)の組織化学染色による局在を調べた。当初の計画では15日齢以降の胎仔についての検討を予定していたが、一部の臓器の発達は予想以上に早期から明かとなるために、12日齢まで遡って検討することとした。両SODの発現は、心筋に最も早くから認められ、次いで、肝と消化管に発現することが解った。呼吸器系では胎生17日齢、腎では18日齢にならないと有意な染色が出現しなかった。この様に、SODの発現時期には臓器系の発達段階に関係した差異が明かに存在していた。 2.組織ホモジネ-トをRIAで測定することにより、肺と腎においては胎生18日以降に急速な両SODの増加が認められることが解ったが、組織化学染色でも確認された。画像解析によってこの組織変化が数量的に表現できた。特に、肺においては肺胞毛細血管内皮細胞が最も酸素障害に弱いとされているが、日齢に従ってこの部位におけるSODの増加が示されたことは特に意義が大きいと考えられた。 3.SODのmーRNAについては、検討を続けているが、本酵素の基本的な性質からして、3〜4倍以上の急激な増加を示す組織の実験系は限られており、肺と腎では有意な成績が未だ得られていない。同様の検討として、CuZn SODとMnSODのイムノブロティングを行い、現在検討を続けている。 4.リンホカイン関連の研究としては、今年度は臨床研究として、川崎病患児の血球中SODの病期に呼応した変動を明らかにしたが、他の急性感染症とは明かに異なる、有意な変動が認められ、今後リンホカインによるSODの変動とも関連して重要な所見と考えられた。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Hayashibe H: "Prenatal development of antioxidant enzymes in rat lung,kid ney and heant." Pechiatric Research. 27. 472-475 (1990)
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[Publications] Uchida N: "Antioxidant enzymes and lipoporoxide in blood in patients voith kawasaki disease。" Acta Pediatnica Japonica. 32. 242-248 (1990)
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[Publications] Asayama K: "Antioxidant enzymes and lipoperoxide in blood in unemic patients." Free Radical Biology Medicine. 9. 105-109 (1990)
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[Publications] A Sayama K: "Diffenentinl effects of 3 betaーblocluns on lipid peroxidation in hyperthyroid Muscle." Endocninologia Japonica. 37. 471-478 (1990)
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[Publications] Munim A: "Immuno histo do wicel localization of Copperーzinc And Manganese supeoxide dis Sutases in Unman bissnes," Yamanashi Medical Journal. 5. 181-188 (1990)
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[Publications] Asayama K: "Diffenentinl development of antioxidant enzymes in liver of temale and caotnated and vonーCastrated male rats." Journal of Clinical Bischemistry & Nethition. (1991)
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[Publications] Asayama K: "Immune histochemical study on peninatul develpment of rat superoxide dismatases in lung and Kidney." Pediatnic Research.(1991)
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[Publications] Aihara M: "Muscle antioxidant seatuo in mdxmouse at different phases of dystrophic process." Mushe & Nerve. (1991)
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[Publications] 林辺 英正: "胎生期ラフトにおける臓器の成熟に伴う抗酸化能の発達に関する検討。" 日本小児科学会雑誌. 94. 6-10 (1990)
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[Publications] 朝山 光太郎: "Duchenne型進行性筋ジストロフィ-症と筋ジストロフィ-マウスにおける抗酸化能の変動の組織特異性に関する検討。" 日本小児科学会雑誌. 94. 56-61 (1990)
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[Publications] 朝山 光太郎: "川崎病の患児における血中脂質代謝に関する検討." 日本小児科学会雑誌. 94. 1379-1384 (199)
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[Publications] 林辺 英正: "思春期以降における抗酸化能の性差と内因性性ホルモンの影響" 思春期学. (1991)