1991 Fiscal Year Annual Research Report
実験的ビリルビン脳症における細胞膜情報伝達機構に関する研究
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02670441
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 肇 神戸大学, 医学部, 教授 (40030978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 公彦 神戸大学, 医学部, 助手 (40205993)
高田 哲 神戸大学, 医学部, 助手 (10216658)
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Keywords | Cunnラット / 高ビリルビン血症 / γーPKC / 小脳 / Northernブロッティング / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
1組織学的解析方法 黄疸ラット及び対照ラットより生後10,15,20,25日に小脳を摘出した。HE染色及びMBP,GFAP,neurofilament,Sー100蛋白,PKC(βγ)による免疫組織染色をおこない、光顕並びに電子顕微鏡学的に解析した。 2結果 (1)黄疸ラットのHE染色では、生後10日よりpurkinje細胞の空胞化、オスミウム好性顆粒の増加を認めた。電顕上でもミトコンドリアの変性、cytoplasmic myelin figureの出現を認め、日齢と共にこれらの所見は進行した。 (2)免疫組織染色を用いて検討したところ、黄疸ラットではpurkinjc細胞のaxonにおけるneurofilamentの発現が対照ラットに比べ遅延し、成獣に至るまで発達遅延が持続した。また、黄疸ラット小脳では、MBPの発現もわずかに遅延しGFAP陽性細胞で増加していた。 (3)γーPKCは主にpurkinje細胞に認められた。purkinje細胞におけるγーPKCの発現を検討したところ、黄疸ラットでは細胞の変性・壊死にともない発現が抑制された。βーPKCは、小脳の分子層、顆粒層に認められたが、黄疸、対照ラット間に大きな差はなかった。また、Sー100蛋白陽性細胞は、黄疸、対照ラットのいずれにおいても10日齢よりびまん性に出現し、両者の間に差はなかった。 3まとめ 黄疸ラット小脳においては、アストロサイトの増加、purkinje細胞の変性・脱落が認められ、neurofilament,γーPKCの発現は遅延していた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sano k: "Differential expression of the Nーmyc,cーfos,and smg p25A genes in human neuroblastoma cells during neuronal and Schwannian differentiation." Mol.Brain Res.9. 149-152 (1991)
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[Publications] Tsuneishi S: "Effects of dexamethason on the expression of myelin basic protein,proteolipid protein,and glial fibrillary acidic protein genes in developing rat brain." Dev.Brain Res.61. 117-123 (1991)
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[Publications] 佐野 公曽: "神経組織におけるras21類似低分子量GTP結合蛋白質" 実験医学. 8. 1917-1922 (1990)
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[Publications] 本池 俊行: "低分子量GTP結合蛋白質smg p25Aの調節蛋白質GDI(GDP dissociation inhibitor:smg p25A GDI)の機能および発現について" 神経化学. 30. 268-269 (1991)