1990 Fiscal Year Annual Research Report
慢性活動性EpsteinーBarrウイルス感染症の発症機序の解明
Project/Area Number |
02670447
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
脇口 宏 高知医科大学, 医学部, 助教授 (10116519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久川 浩章 高知医科大学, 医学部, 助手 (50218707)
藤枝 幹也 高知医科大学, 医学部, 助手 (60209020)
倉繁 隆信 高知医科大学, 医学部, 教授 (50117032)
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Keywords | 慢性EBV / サイトカイン / 単球 |
Research Abstract |
6才〜14才の小児慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)8例についてEBV特異的キラ-T(EBVCTL)活性、natural Killer(NK)活性、および、EBVCTL活性、NK活性におよぼす単球の影響、インタ-ロイキン1(ILー1)、腫瘍壊死因子(TNFα)産生能、活性酸素産生能について検討した。 Regression法で測定したEBVCTL活性は対照児ではインドメタシン(インド)2μg/ml添加によって活性が低下し、単球がEBVCTL活性に関与していることが示唆されたが、患児では活性が認められず、インド添加による変化も認められなかった。K562細胞に対するNK活性は対照児ではインド添加によって増強されたが、患児では変化なく、単球のキラ-活性に対する影響が、CAEBV児では欠如していることがうかがわれた。 PMA刺激、チトクロ-ムC還元によって測定した活性酸素産生能は、好中球は軽度亢進していたが、単球は対照児と差がみられなかった。今後、リンパ球についても分析する予定である。 単球のEBV感染リンパ球に対するキラ-活性は検出できなかった。 OK432刺激単核球によるIL1β、TNFα産生能は、CAEBV児の方が対照児よりも低い傾向を示したが、測定できたのが3例と少なく、今後更に検討を続ける予定である。 以上のことから、CAEBV児では、単球機能に異常のあることが示唆された。今後、更に症例を増やして、単球異常の有無について確立したい。 尚、摘脾を行った1例について、脾細胞のEBVCTL活性、リンパ球サブセットを検討する機会をえた。脾細胞の大半がCD8^+CD11^-HLA・DR^+の活性化CTL細胞であったが、EBVCTL活性は認められなかった。患児の脾細胞の大半がNK細胞であったとの報告もあり、本症の多様性を示唆する所見の1つと考えられた。
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