1991 Fiscal Year Annual Research Report
ネフロ-ゼ腎におけるTxA_2およびPGE_2受容体の細胞内情報伝達機構の解析
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02670453
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 順造 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 講師 (20171217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓削田 英知 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 講師 (90136995)
加藤 一夫 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 助教授 (40136990)
鈴木 仁 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 教授 (80045682)
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Keywords | thromboxane A_2(TxA_2)受容体 / 腎糸球体TxA_2産生 / ネフロ-ゼラット |
Research Abstract |
ラット腎におけるthromboxana A_2(TxA_2)の役割を明らかにするために、ラット腎におけるTxA_2受容体の細胞内局在と腎内局在および腎皮質細胞膜TxA_2受容体の親和性・最大結合量について調べ、さらにaminonucleosideネフロ-ゼラット(ANNR)を用いて腎糸球体におけるprostaglandins(PGs)産生とTxA_2受容体拮抗剤による尿蛋白抑制効果を検討した。 その結果、以下のことが得られた。1)ラット腎にはTxA_2受容体が存在し、それは皮髄境界領域に多く、細胞画分では細胞膜画分に最も多く存在する、2)ラット腎皮質細胞膜TxA_2受容体はラット洗浄血小板TxA_2受容体に比し著しく低親和性である、3)ラット腎皮質細胞膜TxA_2受容体はラット洗浄血小板TxA_2受容体とは種類が異なる、4)ANNRでは対照ラットに比し尿中蛋白排泄量と尿中PGs(TxB_2,6ーketoーPGF_<1α>,PGE_2)排泄量が増加する、5)ANNRの単離糸球体PGs産生量はTxB_2と6ーketoーPGF_<1α>が増加している、6)TxA_2受容体拮抗剤はANNRにおける尿中蛋白排泄量、尿中TxB_2排泄量および糸球体TxB_2産生量を抑制する。 以上より、ラット腎にはTxA_2受容体が存在し、TxA_2はネフロ-ゼの病態に重要な役割を果たしている可能性が推察された。今後、腎TxA_2受容体の機能的役割を研究することにより、腎内TxA_2作用機序がより明確になり、腎障害の進行阻止に役立つ知見が得られるものと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐藤 敬: "ラット腎におけるThromboxane A_2受容体の解析" 日本腎臓学会誌. 27. 1179-1185 (1990)
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[Publications] 佐藤 敬: "Aminonucleosideネフロ-ゼラット腎糸球体におけるprostaglandin産生" 日本炎症学会雑誌. 10. 513-514 (1990)
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[Publications] 佐藤 敬: "経口TxA_2レセプタ-拮抗剤ONO8809のaminonucleoside ネフロ-ゼラットにおける尿蛋白抑制効果" 医学のあゆみ. 157. 371-372 (1991)