1991 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファ-ジに取り込まれる変性LDLのin vivo形成機序と性状について
Project/Area Number |
02670481
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
小玉 肇 高知医科大学, 医学部, 教授 (00089905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 幸三 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80168872)
池田 光徳 高知医科大学, 医学部, 助手 (70212785)
|
Keywords | 酸化LDL / 泡沫細胞 / 黄色腫 / scavenger receptor / 抗酸化剤 / マクロファ-ジ |
Research Abstract |
マクロファ-ジが泡沫細胞化する際には、LDLが酸化的修飾を受けて取り込まれることが強調されている。このことはin vitroの系では明確にされているが、in vivoでの酸化過程は明かではない。我々はnative LDLを実験的黄色腫組織とincubationすることにより酸化LDLが形成されることを確認した。今回はincubation時に各種抗酸化剤を添加することにより、LDLの酸化が抑制され、さらにマクロファ-ジへの取り込みも抑制されることを指標としてin vivoでの酸化機序を検討した。その結果、butylated hydroxytolueneでは酸化抑制とマクロファ-ジへの取り込みの抑制が認められたが、完全な抑制には至らなかった。SOD,αーtocopherolおよびカタラ-ゼでは現在のところ明かな抑制効果は認めていない。さらに条件設定を検討する必要がある。以上の所見は、LDLが酸化される機序のみでマクロファ-ジに取り込まれると結論することには難点があり、in vivoでのLDLの修飾機序は複雑であることを示す。今後、lipoxygenaseの関与も考慮して、そのinhibitorの効果についても検討する予定である。 native LDLを黄色腫組織とincubationすることにより、TBA法により過酸化脂質が産生されることは確認した。この過酸化脂質が産生されることにより、LDLはマクロファ-ジのscavenger receptorに対する特異性性を獲得すると考えられる。scavenger receptorに対する特異性はアポリポ蛋白にあると考えられるので、修飾を受けたLDLのアポリポ蛋白の性状の変化についても検討しているが、現在のところ、native LDLとの顕著な相違を認めていない。観点を変えてさらに検討する予定である。
|
-
[Publications] 大川 幸三,池田 光徳,小玉 肇: "実験的黄色腫由来および変性low density lipoprotoin皮内注射による黄色腫病変の再現" 日本皮膚科学会雑誌(学会抄録). 101. 299 (1991)
-
[Publications] Hajime Kodama: "Pathogenesis of xan thoma" Journal of Dermatological Science(学会抄録). 2. 212 (1991)
-
[Publications] Mitsunori Ikeda: "Foam cell formation and lipoprotein metabolism" Journal of Dermatological Science(学会抄録). 2. 212-213 (1991)
-
[Publications] Mitsunori Ikeda,Kouzou Ookawa,Hajime Kodama: "Glycosaminogly as a foam cell inducing factor on WHHL rabbit." Journal of Dermatological Science(学会抄録). 2. 243 (1991)