1990 Fiscal Year Annual Research Report
成人呼吸困難症候群と荷重部無気肺の実験的臨床的研究
Project/Area Number |
02670495
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 静夫 大阪大学, 医学部, 講師 (60116118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有沢 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (40144513)
池添 潤平 大阪大学, 医学部, 講師 (70115989)
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Keywords | 荷重部無気肺 / ゼノンガス混合酸素 / ダイナミックCT / 呼吸不全 |
Research Abstract |
重力の影響により荷重部に生じる肺胞虚脱による無気肺を我々は荷重部無気肺と命名し、すでにウサギを用いて実験的に作成することに成功している。今回その発生過程において経時的にゼノンガス混合酸素を用いてダイナミックCT(Dynamic Computed Tomography)撮影を施行し局所換気を検討したところ、荷重部と非荷重部で明かに局所換気に違いがあることが示された。すなわち局所換気の指標として肺胞換気と肺胞容積の比を表す時定数をダイナミックCT撮影により得られるタイムデンシティカ-ブから求めたが、荷重部と非荷重部で経時的に時定数の値に明らかな差異が見られた。しかしながらゼノンガスの大きな原子量に起因すると考えられるア-チファクトのために一部満足するデ-タが得られなかったため、ゼノンガスの原子量と近い分子量を有し、かつX線透過性が高いためCT値の上昇が見られない六フッ化硫黄を用いてコントロ-ルとし、ア-チファクトの減少に努めたところ満足のいく結果が得られた。また同時に、荷重部に生じる無気肺の原因として末梢気道の閉塞が予想されたが今回の実験は無気肺の出来る直前まで局所換気は保たれ、気管支及び細気管支は開存していることが明らかにされた。よって今後これらの結果をふまえ、腹部外科手術後や頭部外傷後などに好発し呼吸不全の原因の一つである荷重部無気肺の治療法を成人呼吸困難症候群と対比しながら気道内圧上昇の是非なども含め検討していく計画である。
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