1991 Fiscal Year Annual Research Report
高分子型造影剤を用いたリンパ節転移の早期診断法の開発
Project/Area Number |
02670498
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐古 正雄 神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60030970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 利幸 神戸大学, 医学部,附属病院, 助手 (20227987)
廣田 省三 神戸大学, 医学部,附属病院, 講師 (20181216)
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Keywords | 間接リンパ造影法 / 高分子型造影剤 / リンパ節転移 / CT |
Research Abstract |
1.本研究の目的は高分子型造影剤を用いて間接リンパ造影を確立することで,そのために最適な分子量の選択に関する検討が重要な課題である. これまでの研究で,分子量が10,000未満の場合には,比較的速やかにリンパ節が造影されるが,同時に消腿も速やかで,リンパ節の造影時間は数分間と短かかった. 平成2年度末に準備を進めていた平均分子量70,000のヨ-ド化澱粉(高粘性)が合成された.そこで,これを用いて間接リンパ造影を行い,これまでの低粘性(低分子)ヨ-ド化澱粉による造影能の差異につき比較検討した.なお注入部位は,対比の必要があることから,低粘性の場合と同様に体重約13kgの雑種成犬の足背部とした. 高粘性化合物による造影では,リンパ節が造影されるまでの時間,持続時間(15〜20分)は共に低粘性と比べ長く,また造影濃度も高く,CT値で93H.U.を示した.しかし,リンパ節内部の造影の均等性がやや劣る傾向かみられた.このことから,分子量が70,000を越えてさらに高分子となると,リンパ管内への吸収が益々遅延し,且つ粘稠性が高くなるため,リンパ節内へ均等に分布しなくなることが示唆された. 以上の結果から,間接リンパ造影に適した分子量の上限は70,000との結論をえた.また,各臓器の所属リンパ節までの距離,間質の状態(実質臓器,管腔臓器など)の差異により,異なった分子量の造影剤が必要であると考えられた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 佐古 正雄: "高分子型造影剤を用いたリンパ節転移の早期診断法の開発" INNERVISION. 6. 29-30 (1991)
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[Publications] Hitoshi Katayama: "New Dimensins of Contrast Media" Excerpta Medica, 385 (1991)