1990 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴グラジエントエコ-法による脳腫瘍の組織特性に関する研究
Project/Area Number |
02670501
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 睦正 熊本大学, 医学部, 教授 (10038680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土亀 直俊 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70109651)
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Keywords | グラジエントエコ- / MRI / snapshot法 / スペクトロスコピ- |
Research Abstract |
磁気共鳴映像法MRIはスピンエコ-法を用いて中枢神経疾患の診断に用いられることが多い。脳腫瘍の組織特性の診断にグラジエントエコ-法が有用か否かの検討を行った。 グラジエントエコ-法が正常組織の信号強度に及ぼす影響について動物実験および正常脳について検討した。TRが大きくフリップアングルを小さくするとT_2^*強調画像が、フリップアングルを大きくするとT_1強調類似画像が得られた。一方、TRを小さくした場合には小さいフリップアングルでT_1強調類似画像が、大きいフリップアングルでT_2強調画像が得られた。線状のflow voidまたは線状の高信号強度を示す病変は血管に富む悪性度の高い腫瘍、または動静脈奇形が疑われ、また、susceptibility artifactsを示す腫瘍では石灰沈着を有する良性腫瘍が多い傾向にあった。 グラジエントエコ-法をTR40/TE7、フリップアングル25度で行うと鑑別の困難であるくも膜嚢胞と類皮腫の鑑別が可能であった。超高速画像法のsnapshot法はpreparation pulse、delay timeなどで画像のコントラストがかなり変化することを示した。マウスを用い多いたP_<31>、C_<13>、H_1、F_<19>スペクトロスコピ-を行ったが、脳腫瘍ではNAA低下と相対的にcholineの増加が認められたが、膠芽腫、転移性腫瘍ではNAAの極度の低下とlactateの著しい増加が認められ、腫瘍の悪性度との相関が示唆された。C_<13>画像を作成することにも成功した。 以上の結果からグラジエントエコ-法、およびこれを応用した種々の撮影法、スペクトロスコピ-などを実施していけば従来のスピンエコ-法で得られなかった腫瘍の悪性度に関する情報が多く得られることがわかった。
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