1990 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質リン酸化反応によるシナプス伝達効率制御のメカニズム
Project/Area Number |
02670520
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 龍雄 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (80162965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 亮 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90094383)
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Keywords | シナプス後肥厚部 / カルモジュリンキナ-ゼII / キナ-ゼC / 長期増強 |
Research Abstract |
ラット脳シナプス後肥厚部(PSD)に内在するリン酸化基質のモノクロ-ナル抗体を作製するにあたり、その準備段階として、それらの基質についてタンパク化学的な検討を行った。まず大脳PSDには、自己リン酸化される酵素自身を除いて主要な基質が4種(250K,200K,180K,140K Mr)ある。250Kタンパク質はIPCC3DDレセプタ-であるPCC400DDタンパク質の類縁タンパク質、200Kタンパク質はミオシン重鎖であるらしいことが示唆された。140Kタンパク質はCa結合タンパク質であるらしい。現在、抗140Kタンパク質抗体を産生する13個のハイブリド-マクロ-ンを得たところで、近々それらの抗体の特性を明かにし、それらを用いた研究に移行する予定でいる。180Kから200Kタンパクに対しても免疫を始めている。PSDにはカルモジュリンキナ-ゼII活性の他にキナ-ゼC活性も検出されている。特に小脳PSDで活性が高い。大脳PSDでは分子量17Kの、小脳SとDでは18Kのキナ-ゼC基質が検出された。このうち17Kタンパク質について生化学的に調べた。このタンパク質はPCC2DD画分、シナプトソ-ム、シナプス膜画分のいずれにも存在する。これらの画分中の低分子キナ-ゼC基質は従来ミエリン塩基性タンパク質(MBP)であると考えられていたが、我々の発見した17Kタンパク質は電気泳動上の移動度、等電点、抗原性などの点でMBPとは異なることを明かにした。この17Kタンパク質はシナプス構造内の唯一のキナ-ゼC基質であるので、そのシナプス機能における役割が注目される。現在、17Kタンパク質、18Kタンパク質の抗体を作製中である。
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Research Products
(1 results)