1990 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性特性のリアルタイム同定とファジィ理論を応用した食道狭窄拡張制御装置の開発
Project/Area Number |
02670534
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂庭 操 筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40134233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 道男 筑波大学, 構造工学系, 教授 (10016446)
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Keywords | 粘弾性 / 食道狭窄症 / マイクロコンピュ-タ- / ファジィ理論 / 食道ブジ- |
Research Abstract |
本研究は実験的に作成した狭窄部食道を粘弾性的特性の面から検討して拡張方法の理論的根拠を確立し、これに基づき個々の症例の粘弾性特性を測定して最適な拡張条件を計算しながらその条件下に作動する効率的でしかも安全なmicrocomputer制御の食道拡張制御装置を開発しようとするものである。本研究はまだ継続中であるが現在までに以下のような成果をあげている。1.食道狭窄モデルの作成。イヌを用いて胸部食道に食道狭窄を作成することに成功した。頚部食道を約3cm切除して吻合に緊張をもたせ密な一層縫合をすると狭窄を最もきたしやすいということが明らかになった。2.拡張バル-ン及びmicrocomputerを用いた拡張制御システムの製作。拡張バル-ンとしてはシリコンゴムを用いて2つの径8mmの球形バル-ンの中間に円筒が挟まれた形状のものを製作した。拡張制御装置は16bit microcomputerによって制御され(1)12V DCギヤモ-タ-を用いた2系統の注射器駆動系(2)圧力トランスデュ-サ-及び歪ゲ-ジ、直線褶動ポテンショメ-タ-による測定系、(3)12bitのA/D,D/Aコンバ-タ-による変換入力系の3系統からなるシステムを構築した。3.バル-ンの特性解析による拡張量の測定理論の開発および実際の測定の予備実験1)in vitroでバル-ンを空気及び水で自然膨張させた時と枠内で負荷膨張をさせた時の内圧と周長の関係を測定しバル-ン自体の特性値を得た。これをもとに理論を展開し、バル-ン内圧の変化から拡張力と拡張量を推定する方法が新しく開発された。実際にイヌの狭窄部食道について測定したところ、拡張に伴い食道の周長の増加とともに張力の変化がきわめて不規則な振るまいを示す例と、健常部食道と同様に線形に増加するが増加値が健常部よりも大きい例が観察されている。
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Research Products
(1 results)