1991 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流後及び出血性ショック離脱後にみられる細胞性浮腫形成の病態解明とその予防
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02670543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 順一朗 大阪大学, 医学部, 助手 (10166879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 敏治 大阪大学, 医学部, 助教授 (60127313)
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Keywords | 細胞膜電位 / 細胞内水分 / 細胞内Na / ATP / 活性酸素 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、出血性ショックの肝細胞障害に対するSOD+CATの効果をラットで研究した。SDラットを使用し、出血性ショック(平均動脈圧45mmHg)を作製、これを自己血と2倍量の乳酸加リンゲル液で蘇生し、肝臓の静止膜電位を測定。同時にmicrosphere techniqueで血流量を凍結バイオプシ-でATP含量を測定した。骨格筋と異なり、ショック時の脱分極は蘇生後正常に復したが、門脈血流量とATP含量は低値にとどまった。SOD+CAT処置により、門脈血流量の低下を改善させることができた。このことから、ショック後の肝細胞障害を直接的な細胞膜障害によりも、腹腔の循環障害の観点から捕える必要を示唆させた。この結果は、既に論文とし投稿中である。動物実験では、さらに上腸間膜動脈遮断解除のモデルで、肝細胞膜電位に障害を与える因子として、血中エンドトキシン濃度と関連することも確認した。 臨床的には、ショック、熱傷患者での膜電位障害、細胞内水分含有量、細胞内Na含有量とはぼ相関することを確認した。このことは、ショックからの蘇生後に、明らかに細胞膜の透過性が変化し細胞性浮腫が増大していることを示唆するものであった。しかし、活性酸素消去剤を臨床的に検討するため、採血した赤血球膜で過酸化物質(MDA)と赤血球膜電位、細胞内水分量、細胞内a含有量の比較を行なった。赤血球膜の膜電位測定に難渋したものの、ショック例でMDAの上昇が細胞内水分量等と相関を示した。動物実験で細胞性浮腫の原因として、臨床的には、活性酸素の関与を直接証明できなかったが、動物実験と同様の細胞膜障害が存在することがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Junichiro Yokota: "Oxygen free radiculs affect cardiuc and skeletal cell mewbreve potential hemorrhagic shock in rats" American Jorunal of Physiology(Ifeart and Circulatory phydiology). 31. H84-H90 (1992)
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[Publications] Junichiro Yokota: "Effect of oxygen free radical scaveugers on blood flow regulation and cellular function in liver during hemarrhagic shock" Cirwlatory Shock.
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[Publications] 横田 順一朗: "虚血と臓器障害(宮崎正夫編)" へるす出版, 142 (1991)