1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌細胞に対するホルモン感受性試験の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
02670551
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松岡 秀夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20209513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上尾 裕昭 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70150430)
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Keywords | 接触阻止能 / E_2(エストラジオ-ル) / TAM(タモキシフェン) / Pg(プロゲステロン) / ER / PgR |
Research Abstract |
正常Balblc 3T3細胞のconfluent monolayerは接触阻止能を有するために、正常細胞の増殖は抑えられ、癌細胞のみの増殖が得られることを基礎実験にて見い出し、このmonolayerをcontactーsensitive plate(CSP)と名付けて、これをホルモン感受性試験に応用した。今までに、ヒト乳癌症例138例について検討した。その結果、評価可能症例は、108例(78%)であった。ER(+)症例70例の内、E_2により促進された症例は34例(49%)、抑制された症例は26例(37%)と、ER statusとE_2に対する癌細胞の反応とは、隔たりのあることがわかった。TAMにより抑制された症例はER(+)症例中32例(46%)であるのに対し、E_2により促進された症例の83%であることがわかった。すなわち、TAMによる癌細胞の抑制効果は、E_2の増殖促進効果とより相関していることがわかった。また、TAMにより癌細胞の増殖がむしろ促進されるものがあり、全症例の33%認められた。これらの症例は、E_2により抑制を受けた症例の74%であった。この事は、ER statusのみを測定したのではわからないことであり、ここにもCSP assay法によるホルモン感受性試験の有用性がうかがわれた。更に、ER(+)or PgR(+)症例は全症例の78%であり、その内、E_2により促進された症例は53%と、ER(+)症例の49%よりもやや高値を示すものの、TAMに抑制された症例は、48%とほぼ同率であった。しかしながら、Pgにより促進された症例とE_2により促進された症例の内では、TAMにより抑制された症例は、91%と、E_2により促進された症例のみの83%に比べ、有意に高値を示した。MPAもTAMと同様に、E_2あるいはPgにより促進された症例の内、82%が抑制をすることがわかった。一方、ER(+)あるいはPgR(+)症例では、51%と低値であった。また、コルチコステロンC(S)は、他家が述べているように、全症例の43%が抑制を受けた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Matsuoka: "Charsterization of human esophageal carcinoma cell line established on confluent monolayer" Pathobiology. 59. 76-84 (1991)
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[Publications] H.Matsuoka: "Feasibility of estradiol and tamoxifen sensitivity test using contactーsensitive plates for clinical freast carcinoma" Proc.Am.Assoc.Cancer Res.32. 209 (1991)
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[Publications] H.Matsuoka: "Potentiation of Cytotoxicity of 5'ーdeoxyー5ーfluorouridine by folinic acid in lowーdose and longーperiod culture" Cancer Thera.Cont.
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[Publications] H.Matsuoka: "Influence of various agents upon contactーsensitive plates of confluent Balb/c 3T3 cell monolayers" Med.Sci.Res.19. 655-657 (1991)
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[Publications] H.Matsuoka: "Feasibility of 5ーfluorouracil measurement in RNA of carcinomafissue administered FVra before surgical operation" Cancer Inv.
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[Publications] H.Matsuoka: "Discrepancy between estrogen receptor status and estradiolーproliferation in clinical breast corcinoma" Endocrinology.
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[Publications] 松岡 秀夫: "Contactーsensitive plate(CSP)を用いた乳癌のE_2/TAM 感受性試験の開発と意義" 日本外科学会雑誌. (1991)