1991 Fiscal Year Annual Research Report
小腸移植における免疫抑制剤FK506とカルシウム拮抗剤の併用効果に関する研究
Project/Area Number |
02670581
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田口 智章 九州大学, 医学部, 助手 (20197247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 祥代 九州大学, 医学部, 教授 (30038856)
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Keywords | 小腸移植 / 同種移植 / 拒絶反応 / KF506 / カルシウム拮抗剤 / 同所性移植 / 異所性移植 |
Research Abstract |
小腸移植の臨床応用を実現していくためには、現在他の臓器移植(腎、肝、心膵など)極めて有効なサイクロスポリンでは不十分で、サイクロスポリンを核とした多剤併用療法が試みられているが、臨床例での長期生存は難しいのが現状である。そこでサイクロスポリンと作用機序は類似するが薬理作用の強力なFK506が期待され、最近欧米特にピッツバ-グで臨床応用が試みられつつある。我々はこのFK506の小腸移植における至適投与法を検討する目的と、カルシウム拮抗剤を併用することによりFK506とのsynergisticな効果によりの作用を増強しFK506の必要量を減らし副作用の発現を抑制する目的で以下の研究を進めてきた。 まずinbred rat strainを用いたfully allogeneicな組合せとしてWKAM(ウイスタ-ラット:TR1^u)からLEW(ルイスラット:RT1^l)の組合せを用いたがこの組合せは小腸移植ではかつて報告がなかったため、この系を確立させるため15cmのWKAMの空腸をLEWにThiry vella loopとして異所性移植を行い組織学的に6ー10日目に拒絶反応が起きることを確認。更に15cmのWKAMの空腸をLEWにinterpositionした群では術後10ー12日目に全例が拒絶反応により死亡し、Allogeneicな組あわせとして良好なモデルであると思われた。またコントロ-ルとしてLEWからLEWに空腸15cmをsyngeneicに移植しinterpositionした群では全例長期生存を得た。平成3年度はFK506投与群を開始。まずinterpositionによる同所性移植を行ったが、0.3mg/kg/day筋注したところ10日以上生存したのは22例中わずかに3例(13.6%)で、ほとんどが拒絶反応により死亡した。また0.1mg/kg/dayでは5例中全例拒絶で10日以内に死亡した。そこでこの系におけるFK506投与量を再検討する必要がでてきたため、Thiry vella loopを用いた異所性移植モデルに変更し、術後10日目に組織学的に判定した。その結果FK5060.1mg/kg/dayでは6例中6例とも拒絶、0.3mgでも6例中6例拒絶されたが、0.5mgでは8例中3例生着、1.0mgでは6例中5例生着した。しかし10日目にレシピエントの全小腸を切除して移植腸管を同所性にしたところ長期生存したのはごくわずかであり1.0mgでもまだ免疫抑制は完全ではなく、FK506単独では至適投与量を決めることが困難であった。今後、0.5mgまたは1.0mgにカルシウム拮抗剤を併用して免疫抑制が完全にできるかどうか検討していく必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] TAGUCHI T,ZORYCHTA E,GUTTMAN FM: "Evaluation of UW solution for preservation of small intestinal transplants in the rat" Transplantation. (1992)
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[Publications] TAGUCHI T,HIRATA Y,HIROSE R,YAMADA T,SUITA S: "Short segmental intestinal transplantation in ratーFunctional comparison of jejunal and ileal graftsー" Transplantation Proceeding. (1992)
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[Publications] HIROSE R,TAGUCHI T,HIRATA Y,YAMADA T,SUITA S,NADA O: "Patterns of enteric nervous distribution after small bowel transplantation" Transplantation Proceeding. (1992)
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[Publications] HIRATA Y,ISHII K,TAGUCHI T,SUITA S,TAKESHIGE K: "Conversion of xanthine dehydrogenase(XD)to oxidase (XO)during ischemia of the rat small intestine and the effect of trifluoperazine(TFP)on the conversion" J Pediatr Surg. (1992)
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[Publications] HIRATA Y,TAGUCHI T,SUITA S,TAKESHIGE K: "Adenine nucleotide metabolism in relation to graft viability in the rat smallーbowel transplantation" Transplantation.
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[Publications] HIRATA Y,TAGUCHI T,YAMADA T,HIROSE R,SUITA S: "Relationship between the adenine nucleotide metabolism and the conversion of xanthine oxydase enzyme system in the ischemiaーreperfusion injury of the rat small intestine" J Pediatr Surg.