1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670594
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森田 建 日本大学, 医学部, 教授 (50058814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 勝彦 日本大学, 医学部, 助手 (80209436)
三宅 洋 日本大学, 医学部, 助手 (20229818)
天野 定雄 日本大学, 医学部, 講師 (80159459)
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Keywords | 肝再生 / E、G、F、 / インスリン / 肝硬変 / グルカゴン |
Research Abstract |
平成3年度は主に臨床的な肝切除例について術後1週間における肝再生因子の末梢血、門脈血の動態を検討した。対象は硬変合併肝細胞癌17例、肝血管腫3種の各種肝切除20例であり、胃癌、大腸癌の根治術10例を対照とした。その結果1)対照群におけるインスリン、グルカゴン、上皮増殖因子(EGF)血中環度は常に門脈血が末梢血よりも高値であり、術後第1日に上昇し、3〜4日に恢復した。2)術前硬変合併肝細胞癌における種の肝再生因子の門脈血濃度は肝血管腫より高値であった。3)しかし肝切除後は両群とも門脈血中の3種の肝再生因子の濃度上昇をきたし、とくに術後2日目にピ-クを認め、以後漸減した。この術後の門脈血濃度上昇と門脈血、末梢血の濃度較差は肝切除範囲にほぼ比例し、残存肝の硬変の有無による影響は明らかではなかった。 以上の成績から肝切除後は、肝切除範囲に比例して膵のインスリン、グルカゴン分泌および唾液腺、ブルンネル腺などのEGF分泌も亢進し門脈血中濃度の上昇をきたした事を示すものであり、その機序にはエンドトキシンやイシトカインの関与が示唆されるが、いずれにしてもこれらの動態は残存肝の再生を促進する合目的なものと解釈され、今後、外因性EGF投与の影響について検討することが重要と思われ、平成4年度に行う予定である。
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Research Products
(1 results)