1990 Fiscal Year Annual Research Report
同種肺移植拒絶反応における肺血管内皮細胞障害に関する研究
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02670600
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
馬場 雅行 千葉大学, 医学部, 助手 (00143305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 光年 千葉大学, 医学部, 助手 (20162620)
藤沢 武彦 千葉大学, 医学部, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部, 教授 (80009448)
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Keywords | 同種肺移植 / 拒絶反応 / 細胞障害活性 / プリスタグランジンI_2 / 肺保存 |
Research Abstract |
1)急性拒絶反応発現時の移植肺の組織学的変化 同種肺移植における移植肺障害機構、特に肺水腫の成因機序に関して明らかにする目的で移植肺の組織学的変化と末梢血細胞傷害性Tリンパ球活性との関連について検討したところ移植肺における肺水腫の発現と一致して活性の上昇が認められることを確認した。更に、細胞傷害性Tリンパ球の局在に関する検討では肺水腫発現時、移植肺内浸潤細胞に極めて高い活性が確認され、肺水腫の成因として免疫反応が関与している可能性が示唆された。一方、肺水腫発現時における肺胞構造の超微形態像の検討では血管内皮細胞には細胞溶解性の変化は認められず、その機能的変化を捉えることが重要であるものと考えられた。 2)血管内皮細胞傷害におけるbiochemical markerとしてのPGI_2の意義 傷害群としての室温保存群ではbradykinin刺激によりPGI_2 releaseは有意に低下し電顕像において血管内皮細胞の変性が確認されたのに対し、非傷害群の4℃保存群ではPGI_2 releaseは若干の低下を示したのみで病理組織像にも変化は認められなかった以上よりPGI_2 releaseがbiochemical markerとなりうる可能性が示唆された。 3)biochemical markerとしてのcyclic GMPおよびcyclic AMPの意義 biochemical markerとして血管内皮細胞から産生される物質であるPGI_2をとりあげたが、これに相関するcyclic AMPと、EDRF(Endothelial Derived Relaxing Factor)に相関するcyclic GMPに注目し検討を加えている。EDRFは血管内皮細胞においてのみ産生されるものでPGI_2と比較し、より特異性が高く、また現在測定精度を検討中であるNitric OxideはEDRFに相関し即時性に測定可能であり、より臨床応用に適していると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] NORIKAZU URABE,TAKEHIKO FUJISAWA,YUKIO SAITO,TSUNEHIRO TAKEDA,YASUO SEKINE,YUTAKA YAMAGUCHI: "CHANGE IN PRSTGLANDIN I_2 RELEASE FROM DOG LUNGS AFTER 6ーHOUR PRESERVATION AT VARIOUS TEMPERATURE" Trens planta tion.
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[Publications] 卜部 憲和,藤沢 武彦,斉藤 幸雄,武田 恒弘,山口 豊: "保存肺のProjtaglandin I_2(PGI_2)産生能に関する実験的検討" 移植.