1991 Fiscal Year Annual Research Report
NMR Spectroscopyを用いた保存肺の評価
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02670616
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小野 完二 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30075452)
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Keywords | 肺保存 / 電致質組成 |
Research Abstract |
雄性ウィスタ-ラットの摘出心肺を用い、保存時間ゼロのC群、UW液にて24時間保存したUW群、ユ-ロコリンズ液にて24時間保存したEC群で比較した。評価方法は人工肺で脱酸素化したパ-フルオケロミカルにて、保存前後に20分間の定圧換気、定圧潅流を行い、肺潅流量、一回換気量、肺静脈酸素分圧の保存前値に対する保存後の回復率で行い、さらに全過程終了後に肺の乾湿重量比を比較した。保存条件は、いずれも7度、10cm水柱圧の持続膨張で、冷却浸清保存とした。1、一回換気量:C群の回復率は97、1%、UW群72、6%、EC群67、9%と、C群に対してUW群、EC群とも有意に肺コンプライアンスの低下を認めた。2.肺潅流量:C群97、7%、UW群123、6%、EC群47、1%と、UW群、C群、EC群の順に、いずれも有意差をもって肺血管抵抗は低く保たれた。3.肺静脈酸素分圧:C群103、6%、UW群96、4%、EC群93、6%と、酸素加能はC群が他の2群よりも良好で、C群とEC群の間に有意差を認めた。4.乾湿重量比:C群5、15、UW群5、45、EC群6、70で、EC群は他の2群に比して有意に乾湿重量比が増加した。以上の結果から、24時間冷却浸清保存ではUW液の方がユ-ロコリンズ液よりすぐれていた。現在は、電解質組成が肺保存に及ぼす影響をみるために、K^+イオンが0(mmol/l)、5、20、135、155、Na^+イオンがK^+イオンとの合計が155mmol/lとなるようにし、陰イオンはすべてリン酸イオンにてPH=7、4となるように調節し、さらにブドウ糖にて浸透圧を調節した5種類のオリジナルの保存液を用い、同様の研究を施行中である。
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