1990 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌頚胸腹三領域リンパ節郭清後の症態生理と迷走神経および気管支動脈の関与
Project/Area Number |
02670617
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤田 博正 久留米大学, 医学部, 講師 (90156878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵藤 真 久留米大学, 医学部, 助手 (60199023)
吉村 芳和 久留米大学, 医学部, 助手 (40182828)
永松 佳憲 久留米大学, 医学部, 助手 (70198357)
西田 博 久留米大学, 医学部, 助手 (70198472)
山名 秀明 久留米大学, 医学部, 講師 (30140669)
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Keywords | 食道癌術後病態 / 頚胸腹三領域リンパ節郭清 / 気管阻血 / 気管支動脈 / 迷走神経肺枝 / 肺合併症 / 血管外肺内水分量 |
Research Abstract |
実験的検討:1.気管支動脈温存による気管阻血への影響 電解式組織血流計用い、犬の気管支動脈切断と気管周囲郭清による気管血流の変化を検討した。下部気管の血流は両側気管支動脈の切断で前値の1/3に低下した。縦隔気管の郭清で1/6に、頸部縦隔気管の郭清では前値の10%以下となった。右気管支動脈を温存すると、頸部縦隔気管郭清後も血流量の低下は前値の1/2にとどまった。両側気管支動脈切断+頸部縦隔気管郭清犬は5頭中4頭が気管壊死で死亡したが、右気管支動脈温存犬では4頭すべて生存した。水素ガス・クリアランス法による犬の気管血流量の経時的観察では、両側気管支動脈切断+頸部縦隔郭清犬の気管血流は回復せず、全例死亡した。両側気管支動脈切断+縦隔気管郭清群では、低下した血流は2週後まで上昇傾向を見なかった。右気管支動脈温存+縦隔気管郭清群では血流低下も少なく、1週以後回復傾向を示した。2.右気管支動脈・迷走神経肺枝温存手術の呼吸循環動態 頸部縦隔気管郭清犬では、気管支動脈・迷走神経切断群のいずれも肺動脈圧・肺動脈楔入圧・血管外肺内水分量の上昇を認めたが、両群間に差がなかった。一方、水分の短期大量付加(80ml/kg/20分)により切断群では血管外肺内水分量の上昇がより顕著であった。 臨床的検討:気管支動脈・迷走神経肺枝温存手術の呼吸循環動態 手術前日にスワン・ガンツ・カテ-テルとラングウォ-タ-カテ-テルを挿入し、循環諸量と血管外肺内水量を第5病日まで測定した。両側頸部郭清例(胸管結紮切断)は動脈・神経温存群6例、切断2例とまだ症例が少ないが、各測定項目について両群間の差は認められなかった。現在、症例を追加しているところである。
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Research Products
(1 results)