1990 Fiscal Year Annual Research Report

難治性てんかんの要因ならびに外科的治療に関する研究ーとくに側菅葉内側部扁桃核・海馬体の役割についての形態学的・組織化学的解析ー

Research Project

Project/Area Number	02670634
Research Institution	Kagoshima University
Principal Investigator	朝倉哲彦鹿児島大学, 医学部, 教授 (30075254)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	中村克巳鹿児島大学, 医学部, 助手 (60180361) 新納正毅鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (30172612) 楠元和博鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (40145488) 門田紘輝鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00094136)
Keywords	Epilepsy / Surgical treatment / Magnetic Resonance Imaging / Magnetic Resonance Spectroscopy / ^<31>PーChemical Shift Imaging / GABA / 神経移植
Research Abstract	難治性てんかんに対する診断の確立・手術等の適応決定の研究の為にMRIによるてんかん患者の形態学的変化の検討を行い、その成果は第24回日本てんかん学会に、またMRS( ^<31>P Spectroscopy)により、てんかん焦点のin vivoでのエネルギ-代謝について研究し、その成果は第13回脳神経CT研究会、第19回日本神経放射線研究会において発表した。神経移植に関し第4回神経組織の成長・再生・移植研究会(東京)で発表した。その結果(1)薬物療法によって長期間観察されている症例を中心としたてんかん患者100例を対象として、超伝導MRIを施行した。100例中42例に48病変が認められたが、その異常所見は(1)信号強度の異常と(2)形態異常の2つに大別された。信号強度異常では、20病変中頭葉に50%と高頻度に認められた。形態学的異常、28病変中側頭葉が16例とここでも信号強度異常と同様側頭葉に高頻度に異常が認められる。MRIで検出された48病変部位のうち26病変(54%)が側頭葉に集中しており、長期薬物治療患者の約1/4に側頭葉病変の関与が示唆され、難治性てんかんの一端を側頭葉病変が担っていることが窺える。(2)従来のMRIに加え、燐を対象としたMRSとしてSIDAC法、および3DFT multivoxel spectroscopy法による ^<31>Pーchemical shift imagingによる検討を行なった。対象は難治性てんかん患者15例である。SIDAC法では、Total P,Pcr,Pi,ATPについて、対側半球と病変側の信号を比較することにより検討した。また最近、3DFT法では、鮮明なスペクトラム表示も可能となった。MRSにて異常所見のみられた例は部分発作を中心に11例で、器質性病変を明らかに有する症例では、病変側の信号は、高エネルギ-燐酸および、無機リンそれぞれについて低下する傾向にあった。このようなリン化合物の変化は、発作間歇期の発作焦点を中心としたエネルギ-代謝の低下を示唆するものと考えられた。

Research Products

(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] 笹平正廣: "脳腫瘍の ^<31>P spectroscopic imagingの検討" CT.研究. 12. 59-66 (1990)
[Publications] 新納正毅: "浸透圧利尿剤投与後の脳浮腫領域のMRIー特にT_1,T_2,緩和時間の変化についてー" 日本画像医学雑誌. 9. 2-15 (1990)
[Publications] 朝倉哲彦: "脳神経外科疾患と失語ー脳神経外科医の失語症への寄与ー" 失語疾研究. 10. 16-25 (1990)
[Publications] 朝倉哲彦: "目でみる脳波:局在性脳疾患と脳波Ganglioglioma" 臨床脳波. 32. 262-267 (1990)
[Publications] Nobuhide Moriya: "Arteriovenous Malformation and EpilepsyーNatural History and Surgical Results with Associated Seizureー" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 44. 381-382 (1990)
[Publications] 朝倉哲彦: "特殊脳波記録法と小児ー鼻咽頭・蝶形骨・皮質・深部電極ー" 小児科Mook増刊小児脳波と誘発電位の臨床. 2. 91-98 (1990)

1990 Fiscal Year Annual Research Report

難治性てんかんの要因ならびに外科的治療に関する研究ーとくに側菅葉内側部扁桃核・海馬体の役割についての形態学的・組織化学的解析ー

Principal Investigator

朝倉 哲彦 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30075254)

Research Products

[Publications] 笹平 正廣: "脳腫瘍の ^<31>P spectroscopic imagingの検討" CT.研究. 12. 59-66 (1990)

[Publications] 新納 正毅: "浸透圧利尿剤投与後の脳浮腫領域のMRIー特にT_1,T_2,緩和時間の変化についてー" 日本画像医学雑誌. 9. 2-15 (1990)

[Publications] 朝倉 哲彦: "脳神経外科疾患と失語ー脳神経外科医の失語症への寄与ー" 失語疾研究. 10. 16-25 (1990)

[Publications] 朝倉 哲彦: "目でみる脳波:局在性脳疾患と脳波Ganglioglioma" 臨床脳波. 32. 262-267 (1990)

[Publications] Nobuhide Moriya: "Arteriovenous Malformation and EpilepsyーNatural History and Surgical Results with Associated Seizureー" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 44. 381-382 (1990)

[Publications] 朝倉 哲彦: "特殊脳波記録法と小児ー鼻咽頭・蝶形骨・皮質・深部電極ー" 小児科Mook増刊小児脳波と誘発電位の臨床. 2. 91-98 (1990)

朝倉哲彦鹿児島大学, 医学部, 教授 (30075254)

[Publications] 笹平正廣: "脳腫瘍の ^<31>P spectroscopic imagingの検討" CT.研究. 12. 59-66 (1990)

[Publications] 新納正毅: "浸透圧利尿剤投与後の脳浮腫領域のMRIー特にT_1,T_2,緩和時間の変化についてー" 日本画像医学雑誌. 9. 2-15 (1990)

[Publications] 朝倉哲彦: "脳神経外科疾患と失語ー脳神経外科医の失語症への寄与ー" 失語疾研究. 10. 16-25 (1990)

[Publications] 朝倉哲彦: "目でみる脳波:局在性脳疾患と脳波Ganglioglioma" 臨床脳波. 32. 262-267 (1990)

[Publications] 朝倉哲彦: "特殊脳波記録法と小児ー鼻咽頭・蝶形骨・皮質・深部電極ー" 小児科Mook増刊小児脳波と誘発電位の臨床. 2. 91-98 (1990)