1991 Fiscal Year Annual Research Report
固相上の免疫反応を応用した神経断端の手術中診断法の開発
Project/Area Number |
02670648
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
落合 直之 東京大学, 医学部(病)・整形外科講師 (30134563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 種史 東京大学, 医学部(病), 整形外科助手 (50217676)
長野 昭 東京大学, 医学部(病), 整形外科助教授 (30111537)
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Keywords | 末梢神経 / モノクロ-ナル抗体 / 金コロイド / 術中診断 / ニュ-ロフィラメント |
Research Abstract |
正常な近位神経断端で神経縫合を行なうための評価法として、金コロイドを利用した手術室で短時間かつ簡便に行なう組織学的手法の開発を試みてきた。すなわち、合成膜上に神経断端を圧着し、作成したスポットに対して、膜面に付着したニュ-ロフィラメント(NF)抗原の有無を抗NFモノクロ-ナル抗体(一次抗体)により感作した金コロイドを使用して、直接法を用いた評価を行なおうとするものである。昨年度は、基礎実験を行ない、金コロイドの作成法、条件などを検討してきた。本年度においては、家兎において実験的に作製した神経断裂モデルを用いて本方法の有用性、実用性を検討した。さらに臨症例の標本において同様の検討を行なった。 実験においては家兎10羽の坐骨神経を1cm坐減、さらに切断してモデルを作成した。処置後3から8週後に神経を採用し、本手法を適用して検討した。 圧着して評価を行なう方法では成績が安定しなかった。具体的には、圧着のように大量の蛋白質が合成膜に付着する場合に用いる金コロイド液の作製条件が微妙で、成績良好な金コロイド液を繰返して作製できなかった。 そこで、近位断端のサンプルをホモジネ-トして抽出した液を用いて、これまで用いていた合成膜より蛋白の吸着性が強いニトロセルロ-ス膜に滴下し、乾燥した後に、金コロイド液を反応させる方法を考案した。 ホモジネ-ト液を手術中に迅速かつ簡便に作製する種々の方法を検討した。金コロイド液の条件を工夫、すなわち抗体濃度を高くすることにより、低濃度の抗原を含む抽出液に対して、評価を安定して行なうことができた。さらに、抽出法、金コロイドの条件について検討中である。しかし簡便という意味では、神経断端を圧着する方がまさっているため、この方法で評価を安定して行なうための、試薬、反応条件についても再検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中川 種史,他: "簡便な術中神経断端評価法の開発" 日本手の外科学会雑誌. 8ー1. 159-163 (1991)
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[Publications] 中川 種史,他: "金コロイドを用いた簡便な神経断端評価法の変法" 日本手の外科学会雑誌.