1991 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧自然発症ラットにおける大腿骨頭壊死の発生原因に関する研究
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02670660
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Research Institution | Nagasaki University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩崎 勝郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60039542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 徹 長崎大学, 医学部, 講師 (00108284)
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Keywords | 高血圧自然発症ラット / 大腿骨頭壊死 / 大腿骨頭骨化遅延 / 成長軟骨帯異常 / 骨頭へのストレス / 免疫組織化学 / 電顕的観察 |
Research Abstract |
高血圧自然発症ラット(SHR)にみられる大腿骨菅壊死の原因究明の一かんとして、骨頭に作用するストレスの程度と壊死発生との関連を検索した。6週齢の雄SHRおよび対照として京都ウイスタ-ラット(WKY)を用いた。ラットの大腿骨頭に作用する荷重量を変化させるため以下の処置を加えた。A群:WKY無処置,B群:SHR無処置,C群:SHR坐骨済経切断,D群:SHR坐骨神経および大腿神経切断,E群:一側後肢下腿切断。各群を15週まで飼育後屠殺,骨頭壊死,骨端核骨化遅延および骨頭下成長軟骨帯異常の発生頻度を各群で比較した。 骨頭壊死の発生頻度はA群50骨頭中15%,B群20骨頭中60%,C群16骨頭中25%,D群20骨頭中0%,E群の切断側10骨頭中0%,E群の非切断側10骨頭中40%となり,SHRでは骨頭に作用するストレスが減少していくにつれて壊死発生頻度は低下していた。骨化遅延や成長軟骨異常の発生頻度も壊死のそれと全く同様であった。 以上のことはSHRにおける大腿骨頭壊死は,骨頭外側への,しかも通常のactivity程度のストレスで発生することを示しており,この部における軟骨組織の異常の存在が示唆された。 それで,この軟骨組織の異常を明らかにするために骨頭壊死発生前の幼若SHRにおける大腿骨近位成長軟骨帯および関節軟骨の形態学的変化を検索した。生後5,6,7,8,9週目の大腿骨頭の前額面脱灰薄切切片に対し,組織学的,免疫組織化学的検索を行いまた,成長軟骨細胞を電顕的に調べた。関節軟骨では対照群に比して特に染色性の異常はみられず,またプロテオグリカンの局在にも差はみられなかった。しかし成長軟骨細胞には壊死発生前より変性を示す所見がみられた。以上より軟骨組織の中でも特に成長軟骨帯に異常のあることが推測され,今後この方面への研究が必要となるであろう。
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[Publications] 岩崎 勝郎: "高血圧自然発症ラットにおける大腿骨骨頭病変" 関節外科. 10. 724-730 (1991)
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[Publications] 西村 行政: "高血圧自然発症ラットの大腿骨頭病変発生に対する骨頭のストレスの関与" 日本整形外科学会雑誌. 65. 767-774 (1991)
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[Publications] 小田 純爾: "高血圧自然発症ラットにおける大腿骨骨頭壊死ー加令に伴う骨頭軟骨の変化ー" 整形外科と災害外科. 39. 614-617 (1990)
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[Publications] Katsuro Iwasaki: "Idiopathic Necrosis of the Femoral Epiphyseal Nucleus in Rats." Clinical Orthopaedics and Related Research.
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[Publications] Toru Hirano: "Osteonecrosis of the FEmoral Head in Spontaneouslu Hypertensive Rats.Relation to Ossific Nucleus during Ground" Acta Orthopaedica Scandinavica. 63. 37-40 (1992)
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[Publications] 神代 敏之: "高血圧自然発症ラットの大腿骨骨頭壊死ー成長軟骨帯の異常とその微細構造ー" 日本整形外科学会雑誌. 66. 102-109 (1992)