1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670663
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
三井 宜夫 奈良県立医科大学, 助教授 (70145845)
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Keywords | 静脈皮弁 / 生体顕微鏡 / 血行動態 / 静脈圧差 |
Research Abstract |
実験1:当初予定した実験1(静脈皮弁の血管茎となる静脈の走行による生着率の差異について)は血管茎となる静脈に変位が多く、各家兎において一定の実験的手技が得られないため やむえなく中止した。 実験2:移植床静脈の検討 家兎15羽を使用して 気管切開を施行しハロセンによる吸入麻酔下に夏目製作所から購入したヒ-トプレ-トを使用し体温を一定とし、循環動態を安定化した。その後、左耳中央に、3×4.5cmの通過静脈皮弁を作成し まず通過静脈の静脈血流量を電磁流量計で測定した。その結果、本皮弁の通過静脈の血流量は4.58±2,23 ml/min/100mg,同じ静脈を用いて静脈血圧は 7.6±2.91〜9.8±2.66mmHg,静脈圧差は 2.2±0.42mmHg.であった。 この結果、通過静脈には早期より血流が存在し また脈圧を有する特殊な静脈であることが判明した。同時に測定した静脈内酸素分圧は70.02±8.51mmHgで、対象とした大腿静脈と比して高値を示した。 実験3.静脈皮弁の生体顕微鏡的観察 家兎20羽を使用し、静脈皮弁を作成した後に、耳介後面の皮廣と軟骨とを切除することにより、静脈皮弁の早期楯環動態を生体顕微鏡下に観察した。われわれの実験モデルで静脈皮弁の早期循環動態が観察可能であったが、その血行動態は極めて不安定なものであった。そのほとんどが、細静脈間血流であり、一部に動静脈吻合を介しての正常血流も認められた。このことは、静脈血自体で皮弁が栄養されていることを示している。これまでに、静脈皮弁内の徴小循環系を直視下で観察した報告はなく、実験2とあわせて新しい知見と考えられる。
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[Publications] 稲田 有史: "静脈皮弁の実験的研究ー移植床静脈の検討ー" 形成外科. 32. 1231-1239 (1989)
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[Publications] 稲田 有史: "静脈皮弁の実験的研究ー術合早期循環動態の生体顕微鏡的観察ー第1報ー" 形成外科. 33. 231-237 (1990)
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[Publications] Yuji Inada.: "An experimental study of the venous flap Investigation of the vecipient Uein" J.of Recoustructive Microsurgery. 6. 123-128 (1990)
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[Publications] Yuji Inada: "An experimental study of venous flaps In vivo microscopic observation of hemodynamic microcirculation in postoperative early stages:Part1." Microcirculation aunnal. 71-72 (1990)