1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670664
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
坂田 悍教 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80178558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 祐宏 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90213876)
飯田 雅文 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20238215)
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Keywords | 手関節 / バイオメカニズム / 手根不安定症 |
Research Abstract |
手根不安定症における手関節の圧分布 手根不安定症の中で、Dorsiflexion Intercalary Segment Instability(DISI変形)が問題となり、手関節の症状の遺残、変形性関節症への伸展もみられる症例もある。今年度、我々は、この病態を解剖屍体モデルで作成するとともに手関節の圧分布を測定し、症状の発現や変形性関節症への伸展を解明する目的で本実験を行なった。 [材料及び方法] 5例の前腕切断肢を解凍後、手関節の骨靭帯標本を作成、掌側橈骨舟状骨月状骨間靭帯、骨間靭帯、背側舟状骨月状骨間靭帯を切離し舟状骨月状骨間解離(手根不安定症)を作成、さらに橈骨舟状骨角を40度、60度、75度と変化させDISI変形モデルとした。我々の製作した手関節圧負画装置にとりつけ、総重量10kgの牽引力を加え、手関節の背側関節包を開き、採型した超低圧用プレスケ-ル(富士フィルム社製)にて圧測定を行なった。得られた感圧フィルムの濃度測定にはFD301,302(富士フィルム社製濃度測定器)を使用、橈骨舟状骨関節、橈骨月状骨関節、月状骨有頭骨関節の加圧分布を測定した。 [結果] 正常手関節において橈骨月状骨関節面43.2±18.5%、橈骨舟状骨関節面,39.5±15.4%,TFC16.7±4.5%の加圧状態であったが、DISI変形が著明となると橈骨舟状骨関節面の接触面積は減少し、背側に圧集中を認め、圧負荷は減少し、舟状骨の手根骨長軸への支持機構の働きの減少をもたらす。一方、橈骨月状骨関節、有頭骨月状骨間関節面への圧増大をもたらした。これらの点は臨床的な変形性関節症の発生部位とよく合致した。 (論文の要旨は第35回日本手の外科学会にて発表予定である。平成4年5月13日、京都)
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 佐藤 伸一,坂田 悍教ほか: "手関節の圧分布ーTFC切除の影響ー" 日本手の外科学会誌. 8. 774-777 (1991)
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[Publications] 坂田 悍教ほか: "手根不安定症における圧分布" 日本手の外科学会誌. 9. (1992)