1990 Fiscal Year Annual Research Report
各関節疾患における血清中、関節液中 尿中ケラタン硫酸値の測定
Project/Area Number |
02670665
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高岸 憲二 北里大学, 医学部, 助教授 (70154763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五艘 行信 北里大学, 医学部, 講師 (20112659)
堀田 恭子 北里大学, 医学部, 教授 (10050402)
山本 真 北里大学, 医学部, 教授 (60050332)
|
Keywords | ケラタン硫酸値 / 血清 / 変形性関節症 / 慢性関節リウマチ / 健康成人 / ELISA法 |
Research Abstract |
本年度は血清中ケラタン硫酸値を再現性よく測定するためその測定方法をThonarらのinhibition stepを併させたELISA法を一部改変して用いた。即ち、コンドロイチナ-ゼABCにて処理したプロテオグリカンモノマ-をプレ-トにcoatingした。inhibition stepとしては血清をPH5.3のリン酸緩衝液にて2倍より640倍まで希釈した後、Catersonが作製したケラタン硫酸に対するモノクロ-ナル抗体1/20/5ーDー4を18000倍希釈して等量加え、冷所でovernightした。翌日inhibition stepを行った検体をcoatingしたプレ-トの各well内に加え、 反応させた。次に500倍に希釈したalkalineーPhosphatase conjugated antiーmouse IgG antibodyを加え、pーnitrophenyl phosphateにて発色させた後、405nmにて吸光度を測定した。 20才以上の正常健康成人96名(年齢:22歳ー75歳(平均42.7歳)。男性64人、女性32人)の血清中ケラタン硫酸値と年齢との相関を調べると加齢とともに血清中ケラタン硫酸値は有意に上昇した(p<0.05)。これはThonarらの血清中ケラタン硫酸値と年齢変化の間に有意差はないとの報告と明らかに異なる。彼らとわれわれの結果との相違は明確ではないが、その一因として本吉らも指摘しているように正常群の定義が異なっている可能性もある。 今後更に症例を増やし、正常健康人におけるそれぞれの年代における血清中ケラタン硫酸値の正常値を求める予定である。変形性関節症については43名の血清中ケラタン硫酸値を測定したが、変形性関節症患者の血清中ケラタン硫酸値は、正常健康人と比べて有意な差を認めることはできなかった。しかし、一部の症例では明かな高値を示した。慢性関節リウマチ患者41名の血清中ケラタン硫酸値は正常健常者のケラタン硫酸値と有意差は認めなかったが、炎症が強いと血清中ケラタン硫酸値は低くなる傾向を示した。
|
Research Products
(1 results)