1991 Fiscal Year Annual Research Report
αーTCP/DCPD系水硬性骨セメントの開発及びその親和性評価
Project/Area Number |
02670666
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Research Institution | Kitasato University, School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 真史 北里大学, 医学部, 講師 (20112667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸満 盛憲 北里大学, 医学部, 助教授 (70104528)
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Keywords | 骨セメント / αーTCP / 人工関節 / 生体新和性 |
Research Abstract |
1.αーTCPとDCPDの配合比と練和液の粉液比と圧縮強度および硬化時間 ここで用いた燐酸カルシウムセメントは三菱マテリアル(株)によって開発されたαーTCP・DCPD系水硬性セメントである.DCPD10%,粉液比P/L=2.6で効果時間6分,最大圧縮強度は練和後,3日目で57.0MPaに達し,その後除々に強度は低下することが平野らによって明らかにされている. 2.練和セメントの粘度 人工関節の固定または骨欠損部への充填材として本骨セメントを用いる場合,セメントの操作性のうち特に練和時における粘性と硬化時間が重要である.そこで,DCPD10%セメント粉末に対する粉液比を1,2,3の割合で練和し,硬化前の粘度を測定した.粉液比2程度が最も操作性がよいことが分かった. 3.TCP顆粒混入によるセメント強度の改善効果 ハイドロオキシアパタイト粉末((1)粒度1.0ー0.5mm,(2)粒度0.5ー0.3mm,(3)粒度0.3ー0.15mm,1200°C焼結)をセメント粉に5,10,20%それぞれ混入し,同セメント粉末をポリエチレングルコ-ス(PEG)30%を含む水2gに対して3.2gの割合で練和し,直径6mm,深さ12mmの圧縮強度測定試験片を作成した.強度はいずれもアパタイト不含のセメントの強度50%以下であり,強度の改善は観られなかった.その原因として,アパタイト粉末とαーTCP界面接着性に乏しいことが強度改善に結び付かなかった原因と思われた. 4.家兎によるセメントの生体適合性評価 大腿骨遠位端から2cm骨髄空を掻爬し,セメントを注入し,親和性を経時的に観察した.長期経過は現在観察中であるが短期の組織像では特に拒絶反応は認められない.
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[Publications] 森田 真史: "バイオアクティブ骨セメント(リン酸カルシウム)の生体親和性." Mebio. 8(9). 5 (1991)
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[Publications] M.Morita,H.Aritomi: "Bone cement not Weakend by cefuzoname powder" Acta Orthop.Scand.62(3). 232-237 (1991)
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[Publications] 有富 寛,森田 真史: "抗生剤混入による骨セメントの強度低下" 関節外科. 11(1). (1992)