1990 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部腫瘍の転移メカニズムーmatrix metalloproteinaseの観点よりー
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02670671
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
小宮 節郎 久留米大学, 医学部, 講師 (30178371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 三四郎 久留米大学, 医学部, 助手
平岡 弘二 久留米大学, 医学部, 助手
柿添 光生 久留米大学, 医学部, 助手
南谷 和仁 久留米大学, 医学部, 助手
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Research Abstract |
骨肉腫や軟骨肉腫等の悪性骨腫瘍や横絞筋肉腫や悪性線維性組織球腫等の悪性骨軟部腫瘍の組織培養系を確立した。樹立した細胞株細胞のmatrixーmetalloproteinase産生能を無血清下で検討した。無刺激下の状態では産生能は決して高くはなかったが,インタ-ロイキン1を添加すると産生能は著明に増加した。分子量72000のゼラチナ-ゼが最も顕著に現われそれより低分子の分子量が40000ぐらいまでにわたる多数のゼラチナ-ゼ活性を骨肉腫細胞株細胞に認めることができた。軟骨肉腫では分子量72000のゼラチナ-ゼ活性と分子量57000のストロメリシン活性をみることができた。ストロメリシンは軟骨のプロテオグリカンを分解する能力があるため軟骨細胞由来の軟骨肉腫に本活性を認めたことは腫瘍の増大能力を知るのみならず軟骨代謝を知る意味でも意義が高いと考えられる。悪性軟骨腫瘍でも分子量72000のゼラチナ-ゼと分子量57000のストロメリシン活性を一部に認めることができた。これらの酵素活性は副腎ステロイドホルモンで抑制することができた。matrixーmetalloproteinase活性は複数のサイトカインの刺激でそれぞれ異なった状態を示すことが現在、実験にて確かめており、今後これらのことを報告予定である。また、骨腫瘍の骨破壊酵素活性をひきだすには骨に近い状態の環境下に培養細胞を置く必要があると考え現在実験をすすめている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Setsuro Komiya: "Characterization of Cells Cultured From Human GiantーCell tumors of Bone.Phenotyprt Relationship to the MonoryteーMaiwphaye and Osteoclost" Clin.Orthop.258. 304-309 (1990)
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[Publications] 小宮 節郎: "軟骨肉腫の骨破壊能について" 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 33. 301-304 (1990)
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[Publications] 小宮 節郎: "骨巨細胞腫のインタ-ロイキン1産生能について" 中部日本整形災害外科学会雑誌. 33. 913-915 (1990)
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[Publications] 南谷 和仁: "骨吸収モデルとしての骨巨細胞腫単核細胞のPGE_2産生能について" 整形外科と災害外科. 38. 1152-1154 (1990)
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[Publications] 小宮 節郎: "RDCの骨破壊機序について" 日関外誌. 9. 245-250 (1990)
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[Publications] "骨嚢腫におけるtrepanationの意義" 整形外科と災害外科. 38. 1570-1573 (1990)