1990 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍壊死因子(TNF)のショック誘発作用の機序と抗体による治療
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02670677
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石崎 恵二 群馬大学, 医学部・付属病院・麻酔蘇生科, 講師 (50193305)
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Keywords | 腫瘍壊死因子 / ショック / 抗体 / エンドトキシン / インドメサシン / ス-パ-オキサイド / 血小板活性化因子 |
Research Abstract |
腫痛壊死因子をウィスタ-系ラットに投与し、LD_<50>,LD_<80>を求めた。LD_<50>は1.47mg,LD_<80>は2.0mgであった.LD_<80>のTNFを投与すると著明な代謝性マシド-シス,ヘマトクリットの上昇,逸脱酵素の上昇、血清K値の上昇がみられた。TNFによるショックに対し、ミクロオキシゲナ-ゼ合成阻害薬インドメサシンおよび血小板活性化因子拮抗薬CVー3988を前投与したところ5時間後の死亡率が有意に改善した。また代謝性アミド-シス逸脱酵素の遊離,血清Kの上昇が抑制された.以上の結果より、TNFによるショックではプロスタグランディン系と血小板活性化因子が深く関与しているものと考えられる。TNFを投与すると、白血球からのス-パ-オキサイド産生が有意に上昇する事をケミルミネッセンズ-ダ-にて確認した.7万個の多核白血球をハンクス液に浮遊させ、ウミホタルルシフェリンを加え、さらにTNFを1ng/mlから1μg/mlを加えると、用量依存性にス-パ-オキサイドが発生した.今年度はさらにポリクロナ-ルTNF抗体を作製した.ウサギにTNFを3度投与した。3回目投与3週間後にELISA法でTNF抗体を測定した.3羽のウサギより高い活性を有するTNF抗体を得る事が出来た.この抗体を用いエンドトキシン投与ラットに対する効果を判定した.抗TNF抗体を投与するとLD_<90>のエンドトキシンを投与しても生存率は有意に改善する事が判明した。現在エンドトキシンを大量投与した時のTNF抗体の効果を測定中である。
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