1990 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血と細胞内カルシウムイオン濃度の変動についての研究
Project/Area Number |
02670679
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 講師 (80175950)
|
Keywords | 細胞内カルシウム濃度 / 脳虚血 / カルシウム拮抗薬 / バルビツレ-ト |
Research Abstract |
本年度は、脳神経細胞と脳神経細胞膜を用いて虚血モデルの作成と細胞内へのカルシウムの流入の測定及び細胞内カルシウム濃度の測定を行った。 ラット大脳シナプトソ-ムを作成し、R.H.Ashleyらの方法(Biochem.J.(1984)219,149ー158)によりカルシウム蛍光色素Quin2をQuin2/AMの形でシナプトソ-ム内に負荷した。外液に2mMのCaCl_2の高濃度のKClを加えることによりQuin2の蛍光強度の増加、即ち外液から脱分極によりカルシウムが流入することが確認された。また、このカルシウム流入は外液にk^+及びCa^<2+>を単独で加えても起こらなかった。蛍光測定は日立蛍光分光光度計F2000で行い、Ca^<2+>濃度の計算はR.Y.Tsienらの方法(J.Cell Biol.(1982)94,325ー334)によった。虚血のモデルとしては、外液のpHを7.4から6.5に低下もしくは、窒素ガスによる脱酸素化をおこなった。虚血操作によりシナプトソ-ム内カルシウムイオン濃度の上昇がコントロ-ルに比べて大きい傾向を示したが、さらに検討が必要である。また、高濃度のカルシウム拮抗薬、バルビツレ-トともに脱分極によるカルシウム上昇を抑制する傾向を示したが、これもさらに検討が必要と思われる。 神経細胞を用いた実験については、神経細胞の良いモデルと成るとされている、neuroblastomaとgliomaのhybrid cellであるNG108にカルシウム蛍光色素Fura2をFura2/AMの形で負荷し、細胞内カルシウム濃度の測定をオリンパス顕微測光装置で行っているところである。
|