1991 Fiscal Year Annual Research Report
ハロセン吸入による肝の脂質温酸化とその抑制に関する研究
Project/Area Number |
02670682
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 宏融 広島大学, 医学部, 講師 (60034021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓削 孟文 広島大学, 医学部, 教授 (40034128)
|
Keywords | 吸入麻酔薬 / ハロセン / 脂質過酸化 / 肝障害 |
Research Abstract |
ハロセン吸入によって希に重篤な肝障害が発生する。その原因は未だ明らかにされていない。ハロセンおよびその代謝物による肝障害の発生機構として脂質過酸化反応と免疫反応が考えられている。前者はハロセンの媛気的代謝が後者は好気的代謝が関与している。本研究はハロセンの嫌気的代謝が原因になる脂質過酸化による肝障害の機構を明らかにするために行った。 本年度は肝ミクロソ-ムの反応系で脂質過酸化反応をペンタンを指標にして測定可能か否かを検討し、ハロセンによる脂質過酸化反応をペンタンを測定することにより確認し、その反応に対する抗酸化系(トコフェロ-ル、GSH、アスコルビン酸等)の抑制作用を明らかにすることを目的とした。 まずミクロソ-ムの反応系で四塩化炭素によるペンタンの生成の指摘条件を求め、それが脂質過酸化の反応に関与した反応であることを確かめた。この反応系でハロセンの脂質過酸化反応について検討した。その結果、ハロセンによるミクロソ-ムの脂質過酸化反応は窒素条件下で進み、その反応にはNADPHを要求し、ハロセンの濃度に依存した反応であることを確認した。 この反応系でのペンタン生成に及ぼすトコフェロ-ル、GSP、アスコルビン酸の影響を調べた結果、ペンタン生成は有為に抑制された。 以上の結果から、ハロセンによってミクロソ-ムの脂質過酸化反応が起こり、その脂質過酸化反応はトコフェロ-ル、GSH、アスコルビン酸などの抗酸化剤によって抑制されることを明らかにした。
|