1990 Fiscal Year Annual Research Report
副甲状腺腺腫の細分化の試みー遺伝子解析ならびに核分裂期の分析ー
Project/Area Number |
02670700
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森山 信男 東京大学, 医学部, 講師 (80143501)
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Keywords | 原発性副甲状腺機能亢進症 / 副甲状腺腺腫 / レクチン / 組織細胞化学 |
Research Abstract |
【目的・方法】原発性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺は病理学的に腺腫、過形成、癌の3タイプがあり、病理組織学的にこれらをを鑑別するのは容易ではない。今回、我々は原発性副甲状腺機能亢進症の診断で摘出された副甲状腺組織(27症例)を用いて、レクチンの結合部位を織組化学的に検討し、上記3タイプで細胞膜や胞体の糖鎖に相違があるか否かを組織化学的に検討した。レクチンは市販のビオチン結合体;Peanut Agglutini (PNA),Bandeiraea Simplicifolia Agglutinin II (BSAーII),Concanavalin A (Con A),Soybean Agglutinin (SBA),Richinus Communis Agglutinin I (RCAーI),Wheat Germ Agglutinin (WGA)を用いた。組織化学的染色はホルマリン固定パラフィン包埋切片を用い、AvidinーBiotinーComplex法で染色した。 【結果】各レクチンの染色態度は正常副甲状腺、過形成、腺腫、癌で質的な差はなかった。正常副甲状腺(2例):SBA,Con A,WGA,BSA IIが全例陽性であった。過形成(2例):WGA,BSA IIが2例とも陽性であった。癌(1例);BSA IIとPNA以外はすべて陽性で、特にSBAは強陽性であった。腺腫22例の染色傾向をみる為にクラスタ-分析を行なった。A群(13例)とB群(9例)の2つのサブグル-プに分けられる印象を得た。A群はRCAーI陽性で、PNA蔭性の症例が多く、B群の症例は逆であった(P<0,05)。しかし、上記2群間で、各症例の年齢、性別、血清カルシウム値、リン値ならびに摘出腺腫重量の平均値にはいずれも有意差を認めなかった。 【まとめ・考察】1)SBAは副甲状腺癌の鑑別に有用かもしれない。2)副甲状腺腺腫はRCA、PNAの染色態度(細胞質、細胞膜の糖鎖の相違)により2つのサブグル-プに分けられる可能性がある。しかし、現在のところ、これらは臨床的パラメ-タ-との相関がない。今後症例を重ねるとともに、さらに解析・検討を重ねる予定である。
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Research Products
(1 results)