1991 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるアンドロゲンレセプタ-意儀の新しいアプロ-チによる解析
Project/Area Number |
02670702
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
岡田 謙一郎 福井医科大学, 医学部, 教授 (60026838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 優 福井医科大学, 医学部, 助手 (20186878)
三輪 吉司 福井医科大学, 医学部, 助手 (10209968)
秋野 裕信 福井医科大学, 医学部, 助手 (90159335)
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲンレセプタ- |
Research Abstract |
前立腺癌はアンドロゲン依存癌の性格を有し初回内分泌療法に80〜90%の症例が反応する。しかしその後再燃したものの予後は不良であり、アンドロゲン非依存性となる機序の解明は重要である。また潜在癌が臨床癌へと進展する機序も不明であり、これらの解明が待たれている。本研究はこれらの機序を解明する一つのステップとしてアンドロゲンレセプタ-の前立腺癌での意義を明らかにする目的で計画されたものである。現在、前立腺癌におけるアンドロゲンレセプタ-の発現をこれに対するモノクロナル抗体を利用し免疫組織学的に検討しているが未だ結論を得るには至っていない。またアンドロゲンレセプタ-のcDNA作製については現在遂行中である。 アンドロゲンレセプタ-自体に対する検討の他にアンドロゲンの作用により前立腺組織内で増加すると言われているPNA(peanut agglutin)結合物質を免疫組織学的に検討し、その結果を核DNA量解析結果と比較検討した。その結果PNA結合物質は前立腺癌において前立腺肥大症より、またmalignant potentialの高いaneuploid癌でdiploid癌よりも多く発現していた。そして前立腺偶発癌を合併している肥大症組織におけるDNA結合物質の存在部位は癌を合併しない肥大症のそれと異なっていた。これらのことは、前立腺におけるアンドロゲン作用の発現とアンドロゲン依存性そしてアンドロゲンレセプタ-の存在は必ずしも同意義ではないものの、前立腺癌の発癌・進展の種々の状態においてアンドロゲンレセプタ-の作用と関連する変化が起っていることを示しているものと思われた。
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[Publications] 藤田 知洋,秋野 裕信,蟹本 雄右,岡田 謙一郎,白石 泰三,中久木 和也: "前立腺偶発癌に関する研究:第2報 核DNA量解析" 泌尿器科紀要. 37. 1009-1016 (1991)