1991 Fiscal Year Annual Research Report
更年期男子の性機能が受ける、プロラクチンからの影響とその治療の試み
Project/Area Number |
02670707
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
大迫 文麿 島根医科大学, 医学部, 助教授 (00093203)
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Keywords | 男子更年期 / プロラクチン / 性機能 / ブロモクリプチン / hCG / LHーRH / TRH |
Research Abstract |
平成3年度も、ある集団検診受診者の中から更年期男子45人を抽出し、その血中プロラクチンの基礎値を測定した。このうち2人(4.4%)に高プロラクチン血症(血中プロラクチン基礎値が15ng/ml以上)を発見し.それぞれ16.9および25.3ng/mlを示した。この2症例と、平成2年度に見付け出した一症例(基礎プロラクチン値14.8ng/mlを示した症例) 計3症例に対して以下の実験を行った。各症例にブロモクリプチン5mg/日を2ケ月間服用させた。ブロモクリプチン投与前および投与後1ケ月目、2ケ月目に、hCG,LHーRH,および TRHテストを行い、更にアンケ-トによる性機能検査を行った。血中のテストステロン、LH,FSH,プロラクチンおよびTSHは、IRMA法により測定し、推計学的処置は分散分析法で行った。 この結果、ブロモクリプチン投与前と投与後に有意に変化したものは、血中ブロラクチン値が正常化又はそれ以上に低下したことで、他の諸検査値には有意の変化は全く見られなかった。換言すると、ブロモクリプチン投与前のテストステロン,LH,FSH,TSHの血中基礎値もその代謝状態も20齢代の正常男子のそれらの値に比べて有意の差が認められなかった。ただ、アンケ-トによる性機能については、各症例ともにそれぞれの若年期のその機能に比べて低下していることが判明した。 今年度の実験からは、更年期男子の性機能低下の原因が高プロラクチン血症によるものではないかと経論出来る。これは私が2年前に発表した成績と一致しないが、末だ実験対象例が少ないので更に症例を追加し検討しないと最終結論は出せないと思う。
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Research Products
(1 results)