1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト泌尿殖器におけるNAGアイソザイムの基礎的検討
Project/Area Number |
02670717
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
吉田 謙一郎 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (00134685)
|
Keywords | NAG / ヒト精巣 / ヒト精漿 / ヒト前立腺肥大症組織 / レクチンアフィニティーカラム / 糖鎖構造 |
Research Abstract |
ヒト精漿および精巣のNAGAの分離、精製を行うとともに、これらの組織および前立腺肥大症組織のNAGの糖鎖構造の様式についてCon Aを用いたレクチンアフィニティ-クロマトラフィ-にて由来組織による違いにつき検討した。Sephacryl Sー400,QーSepharose,TSKーGel Gー3,000,TSKーGel DEAEの順でカラムにかけNAG Aを分離し単ー蛋白にまで精製した。分子量はわずかに精漿由来が高いが両者ともおよそ140kDaであり、Km値はいずれも0.185×10^<-3>Mであった。金属イオンおよびDSDに対する酵素の安定性をみると、多くの金属イオンに対して両者間に差はみられなかったが、5mMのBa(OH)_2と0.05%のSDSに対する安定性が両者で異なった。前者に対し精漿由来では安定であるのに対し、精巣由来では失活した。また後者に対し精漿由来では失活するのに対し、精巣由来では安定てあった。Con Aに対する親和性をみると非結合分画は精漿、精巣、前立腺肥大症組織でそれぞれ6.0%,11.8%,2.7%であり、弱結合分画は7.0%,6.6%,8.2%であり、強結合分画は87.0%,81.6%,89.1%であった。以上の結果から精漿および精巣由来のNAG Aとも分子量やkm値は類似するが化学物質の安定性が異なり、分子構造に違いのあることが示唆された。NAGの糖鎖構造様式についてはいずれも生殖器関連臓器としては同様のパタ-ンを示し、高マンノ-ス型と混成型が大部分を占めたが、多枝複合型とbisecting typeについてはわずかながら由来組織により違いのあることが示された。
|