1991 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌の転移巣に於ける制癌剤耐性機構に関する検討
Project/Area Number |
02670725
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 智任 日本医科大学, 医学部, 助手 (60228492)
西村 泰司 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00104026)
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Keywords | 腎細胞癌 / シスプラチン耐性 / メタロサイオネイン |
Research Abstract |
我々は腎細胞癌の抗癌剤耐性機構を解明する一環として、腫瘍細胞内のメタロサイオネイン及びグルタチオンの濃度が何らかの関係を有していないかと考え、一連の実験を施行した。 具体的な手法としては、同一症例より得られた4つの腎細胞癌(原発巣、肺転移巣、肝移巣及びリンパ節転移巣より樹立した)に市販されている4つの腎細胞癌株を加えて計8つの腎細胞癌株を用いて、まずMTT assayによりそれぞれのシスプラチンに対する50%抑制濃度を測定、算出した。次に8つの腎細胞癌株の細胞内のシスプラチン及びグルタチオンの濃度をそれぞれ定量した。その上で一つ一つの細胞株ごとに前述した50%抑制濃度とを比較することにより、何らかの相関関係を有していないか統計処置を行って検索した。 結果としてシスプラチンに対する50%抑制濃度と細胞内のメタロサイオネイン濃度との間には相関係数0.907、5%以下の危険率で相関関係を認めた。もう一つの細胞内グルタチオン濃度との相関についてであるが、これは全く相関を認めることはできなかった。 今後、当施設で腎細胞癌患者から得られる腎細胞癌株を用いて両者の相関関係をより明確にすることともに、シスプラチンと交叉耐性を示す種々の抗癌剤を用いて同様の実験を行うことにより現在までに得られた検査結果との相関関係を検索する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 佐藤 三洋他: "Characterization of 4 Renal Cell Carcinoma derived from a same patient" Cancer Reserch.
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[Publications] 天谷 健二,他: "腎細胞癌株におけるシスプラチン感受性と細胞内メタロサイオネイン濃度との相関関係" 日本泌尿器科学会誌.