1990 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣におけるエンドセリン作用機構の機能的組織学的研究
Project/Area Number |
02670731
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼杵 哲 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50092151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼杵 祥江 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80134229)
塩田 正樹 東京大学, 医学部, 助手 (80134526)
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Keywords | エンドセリンー1 / エンドセリンー3 / 卵巣 / プロゲステロン / エストステロン / エストラジオ-ル / DNA polymerase α活性 / cyclic AMP |
Research Abstract |
本年度は主にエンドセリン(ET)の卵巣における存在と卵巣におけるステロイド産生能およびDNA合成能について検討を行った。ラット卵巣において大量のETの存在が証明され、卵巣でのETの産生調節が推察されると共に、その組織内濃度は卵胞の発育・排卵・黄体の発育経過に伴って変化し、その調節がホルモン調節下にあることが推察された。 PMS処理卵巣においてETは、卵胞の発育に伴って各種ステロイド、即ちprogesterone、testosteroneおよびestradiol、とくにprogesteroneの産生分泌を促進させることが明かとなるとともに、その産生にcyclic AMP系も部分的ではあるが関与していることも示唆された。卵巣におけるステロイド分泌作用は、ETー3に較べETー1の方が強い傾向にあった。 一方、ラット血中ET濃度は成熟および幼弱系においても卵巣組織濃度とpararellな変化は示さず、レニンの様に血中ET濃度は卵巣ET濃度を反映していないことも明かとなった。DNA合成系との関係は、ETの投与でDNAの複製酵素であるDNA polymerase α活性が増加し、ETが卵巣の細胞増殖にも関与していることも明かとなった。また、PMS処理ラット卵胞の細胞構築面からみると顆粒膜細胞、莢膜細胞の両者でステロイド分泌は促進されるが、その作用はwholeないしfollicleレベルのものに較べて弱く、両者および間質細胞の存在で最もステロイド産生分泌作用が強いことが示唆されるとともに、ETの収縮作用に基づく卵胞の収縮作用もステロイドの放出に大きな役割を果たしていることも示唆された。一方、ヒト血中ET濃度は、排卵期に低くLH濃度とnegativeな相関を示し、間脳ー下垂体ー性腺系との関与が示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Satoshi Usuki: "Increased maternal plasma concentration of endothelinー1 during labor pain or delivery and the existence of a large amount of endothelinー1 in amniotic fluid" Gynecological Endocrinology. 4. 85-97 (1990)
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[Publications] Satoshi Usukiほか: "Endothelinー1 and endothelinー3 stimulate ovarian steroidogenesis" J.Cardiovasc.Pharmacol.(1991)
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[Publications] Satoshi Usukiほか: "Endothelinー1 elevates DNA polymerase α activity in ovaries of immature rats" Horm.met,Res.(1991)
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[Publications] Satoshi Usukiほか: "Ovarian endothelin" Mol.Cell.Endocrinol. (1991)
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[Publications] Satoshi Usuki: "Enothelinー1 levels are not influenced by Tokishakuyakusan and Keishibukuryogan in women" Am.J.Chin.Med.18(3ー4). 139-147 (1990)
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[Publications] Satoshi Usuki: "Presence of endothelinー1 in rat ovaries" Jpn.J.Fertil.Steril.37:1. (1991)
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[Publications] Satoshi Usuki: "Proceedings of IInd International Symposium on Ovarian Function" Raven Press,New York, 11 (1991)