1990 Fiscal Year Annual Research Report
LH/RCGレセプタ-の分子構造と機能の解析及び発現調節
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02670732
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
峯岸 敬 群馬大学, 医学部・付属病院・産科婦人科学教室, 助手 (00209842)
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Keywords | ゴナドトロピン / レセプタ- / 分子生物学 |
Research Abstract |
幼若ラットにゴナドトロピンを投与し、レセプタ-の誘導を行った卵巣を採取しmRNAを抽出した後、cDNAライブラリ-を作製した。既知のラットLH/hCGレセプタ-のcDNA構造より300baseを挟むように2つのプライマ-を合成し、PCR法にてDNA断片を得た。この断片をプロ-ベにラットcDNAライブラリ-をスクリ-ニングし、ラットLH/hCGレセプタ-の全長を含むクロ-ンを得た。更に、このクロ-ンをプロ-ベとして、やはり自制のヒト卵巣cDNAライブラリ-をスクリ-ニングし、全長と一部欠損したものと2種類のヒトLH/hCGレセプタ-クロ-ンを得た。 推定されたレセプタ-の構造は、ラット、ブタのレセプタ-と非常によく類似し、長い細胞外ドメインをもち、七つの膜貫通領域と細胞内領域にリン酸化を受ける可能性のある部位を持つことが解った。同様の方法を用いて、ヒトFSHレセプタ-のクロ-ニングにも成功した。 ラットLH/hcGレセプタ-の発現調節を検討する目的で、幼若雌ラットにPMSG,HCGを投与し、経時的に卵巣を採取した。卵巣よりRNAを抽出しノ-ザンブロットを行いmRNAの量的変化と、膜に於けるレセプタ-量をbinding a ssayより計算しその量的変化を比較検討した。この実験では、mRNAの変動がレセプタ-蛋白の変動に先行して変化し、よい相関を示す事が解った。更に、hCGの投与により、その直後では、LH/hCGレセプタ-の減少が観察されたことが、報告されている。我々の実験でも、同様の結果が得られ、このときのmRNAレベルがやはりレセプタ-蛋白の減少に先行して減少することを報告した。この事実は、一般に観察されるdown regurationに転写レベルでコントロ-ルされる可能性を示唆するもので今後の検討が必要と思われた。
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[Publications] 中村 和人: "Regulation of LH/RCG receplor by gonadotiopins in rat ovary" Biochem.Brophys.Res.Commun.172. 786-792 (1990)
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[Publications] 峯岸 敬: "Cloning and sequencing of human LH/hCG receptor cDNA" Biochem.Biophys.Res.Commun.172. 1049-1054 (1990)
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[Publications] 峯岸 敬: "Cloning and sequencing of human FSH receptor cDNA" Biochem.Biophys.Res.Commun.